北海道初の事業承継協会
2021-09-14 11:31:29
北海道初の事業承継協会が設立、講演会を開催する意義とは
北海道初の事業承継協会が設立
2021年9月16日、北海道で中小企業の事業承継を支援する「一般社団法人事業承継協会 北海道支部」が発足しました。この設立は、地域の経済を支える中小企業が直面する事業承継の課題を解決するために、専門家が集結して始まったものです。
中小企業の現状と課題
日本の企業の99.7%を占める中小企業は、地域における雇用創出や経済活動の中心として重要な役割を果たしています。しかし、高齢化が進む中で、企業オーナー層の高齢化も深刻化しています。その結果、後継者不在の問題が増加し、特に北海道ではその割合が全国で最も高い74%に達しています。事業承継の問題は、単に企業の存続にとどまらず、地域経済そのものにも影響を及ぼす重大な課題といえます。
高齢化が進む中小企業にとって、事業をどう維持し、どのように次世代に引き渡すのかは大きな難題です。例えば、オーナーが後継者を育てる方法を理解しているのか、M&Aによって他社に事業を委譲する際に知識があっても実行に移せるか等、具体的な支援が求められています。
コロナ禍における影響
近年の新型コロナウイルスの影響もあり、中小企業は特に厳しい状況にあります。飲食業界を中心に多くの事業者がダメージを受け、一部では廃業を決断するケースも見られます。この状況下で、事業承継に対する準備を行う時間も心と余裕もない企業が多いのが現実です。2021年のデータでは、60代の経営者においても約43%が事業承継の準備を行っていないという結果が示されています。
事業承継協会の役割
北海道支部の設立により、地域の中小企業や個人事業主に対して、10年後も持続的に事業を存続させるための支援が行われます。特に注目されるのは、事業承継に関するアドバイスや支援が包括的に行われる点です。この協会では、親族内の事業承継からM&Aまで幅広いトピックに対応し、経営者が安心して後継者を考えるための準備を手助けします。
記念講演会の開催
2021年9月16日には、設立を祝う特別講演会が札幌市で開催され、事業承継の専門家である内藤博氏を講師として招きました。この講演会では、「事業承継とは何か」や「10年後に事業を継続するためにはどうすればいいのか」といったテーマが取り上げられました。参加者は、具体的な事例交えながら、専門的な知識と理解を深める貴重な機会となりました。
内藤氏は、中小企業診断士として数多くの事業承継案件に携わっており、その実績と経験に基づいたアドバイスを提供しました。こうした講演を通じて、参加者は事業承継の重要性とその具体的な進め方に対する理解を広めることができたのです。
この協会の取り組みは、北海道の中小企業が未来に向けて持続可能な成長を実現するための重要な一歩となることでしょう。地域経済を支えるため、今後もさらなる活動に期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人事業承継協会北海道支部
- 住所
- 北海道札幌市中央区南一条西7丁目12番地都市ビル6階
- 電話番号
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011-242-6119