幻のそば『荘川寒ざらしそば』が始動
岐阜県高山市の荘川町は、本州有数の寒冷地であり、ここで生まれる特産品『飛騨高山荘川そば』は多くのそばファンから愛されています。毎年この時期になると、この幻のそばの製造プロセスが始まります。その一環として、今年も『荘川寒ざらしそば』のための浸水作業が行われることとなりました。
浸水作業の重要な意味
『荘川寒ざらしそば』を作るためには、まずそばの実を水に浸すことが不可欠です。浸水作業は、そばの実(玄そば)400kgを選び、荘川町内を流れる一色川から取水した農業用水路に約1週間浸します。この作業は、二十四節気の寒さが最も厳しくなると言われる大寒の頃に行われ、凍結と乾燥を繰り返すことで雑味が抜け、美味しさが引き出されるのです。
浸水作業が終わると、そばの実は棚に干され、寒風にさらされます。このプロセスは約1ヶ月間続きます。こうして出来上がる『荘川寒ざらしそば』は、甘みがあり、風味豊かな一品です。
18年目の感謝
この『寒ざらしそば』の取り組みは、今年で18年目を迎えます。多くのそばファンから好評をいただき、毎年新たな挑戦を続けています。そして、2025年6月には荘川町内のそば店4店舗での提供も予定しており、多くの人々に味わっていただく機会を提供することを楽しみにしています。
荘川地域の特性
荘川地区は、自然環境が豊かで、六厩地区を中心に、全国でも有数の寒暖差がそば栽培に適した地域です。霊峰白山から湧く水はミネラル豊富。特にカリウムが多く含まれており、荘川そばはその特徴を生かした大粒で粒揃いの良いものとなります。他にも、強いコシと良い香りを持ち、多くのファンに支持されています。
また、荘川地域は美しい農山村景観を有し、平成28年には全域が白山ユネスコエコパークに認定されました。国際的に評価される自然環境が、質の高いそばを生産する背景となっています。
まとめ
『荘川寒ざらしそば』は、季節の美味しさを体験できる特別な一品です。そばの実を仕込む浸水作業が始まり、風味豊かなそばが完成するまでのプロセスを楽しみに待ちましょう。これは食だけでなく、地域の文化や自然をも育む貴重な取り組みなのです。皆さんも、ぜひこの美味しいそばを体験してみてください!