カオナビが給与業務のアウトソーシング事業に本格参入
株式会社カオナビ(以下、カオナビ)は、東京都江東区の株式会社ペイロールと手を組み、給与業務の効率化を図るための取り組みを開始しました。この協業により、カオナビが提供するタレントマネジメントシステムと、ペイロールが提供する給与計算サービス「HR BPaaS」のAPIの連携が行われることとなります。これに伴い、2025年中には社員の基本情報が連携され、今後はペイロール社が管理する勤怠や給与情報も段階的に統合される予定です。
業務のアウトソーシングにおいては、特に行動データの分析や勤怠情報との統合が進むことによって、企業はより多角的な観点から人材の評価や分析が可能になります。この動きは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展と、労働力の減少が続く日本において、特に求められているものです。
BPOサービスの必要性と効果
近年、業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスの利用が急増しています。人事分野では、人的資本経営の推進が進み、業務の高度化が求められています。専門の業者に業務を委託することで、企業はコア業務に集中できるようになります。しかし、このような業務を外部に委託する際には、データ連携の手間やタイムラグが課題として浮上しています。
そこで、ペイロールが提供する「HR BPaaS」は、業務の効率化のみならず、データの連携をスムーズに行うための重要な役割を果たします。「HR BPaaS」は、給与計算や勤怠管理、年末調整などのシステムサービスを提供し、自治体や社労士と協力しながら、給与計算に関連する業務を幅広くカバーしています。これにより、カオナビに蓄積された発令データや組織情報との連動が実現し、給与計算がより円滑になります。
給与業務の新たな方向性
さらに、タレントマネジメントの視点からは、給与や勤怠情報を掛け合わせて多角的な分析が行えるようになります。企業は、人材の適正評価や育成、配置転換といった人事戦略において、より科学的な根拠に基づいた意思決定が可能となるのです。
カオナビは、企業のタレントマネジメントシステムのリーディングカンパニーとして、現在約4000社以上にサービスを提供しています。タレントマネジメントシステムや労務管理システムといった各種ソリューションを通じて、企業の経営戦略や人材戦略の実現に寄与しています。今後のカオナビとペイロールの協業は、このような企業にとってますます重要な意義を持つことになるでしょう。
まとめ
カオナビとペイロールの協業によってもたらされるデータの統合と活用は、業務の効率化だけでなく、企業が人材を最大限に活用するための強力な基盤となります。デジタル時代の進展において、こうしたサービスの普及は不可欠であり、今後の動向にますます注目が集まります。業界の変化がどのように企業の人事戦略に影響を与えるのか、さらなる展開を期待しましょう。