推し活を続けているファンの新しい価値観とその背景

推し活とは、自分が特に応援しているアイドルやアーティストを支える活動のことを指します。現在、多くのファンがこの活動を楽しむ一方で、グッズ管理やその保管方法に関する悩みも増えていることが背景にあります。そんな中、株式会社ソルトワークスと株式会社サマリーが共同で実施した「推し活に関するアンケート」によると、約8割のファンがグッズを手放さず「保管」という選択をしました。これはまさに、推し活プロセスにおける新たな価値観の表れです。

調査の概要と結果の要点

調査は、2025年7月1日から7月15日の期間に行われ、国内に住む10代から70代の男女502名が対象となりました。調査結果では、約4人に1人が「自作推しグッズ」の経験があることが明らかになり、ファン活動の楽しみ方が多様化しています。さらに、半数以上のファンが過去に「推し活」の休止や離脱を経験しましたが、その中でも彼らはグッズを手放す気配はなく、その理由は「思い出」と結びついていることが多いようです。

新たな消費の形：思い出としての保管

推し活を休止した際のグッズ管理で多かった回答は、「自宅ですべて保管している」（51.2%）や「一部だけ手元に残している」（28.6%）というものです。つまり、物理的なスペースが不足しても、思い出として残したいという気持ちが勝るという新たな消費スタイルが確立されつつあるのです。この結果は、ファンの中で推し活が単なる趣味や娯楽にとどまらず、個人の人生や思い出と深く結びついていることを示しています。

月間支出額の傾向

推し活にかける月間支出額は、アイドルやリアルイベントが多いジャンルでは高く、コンサートや観戦などでの支出が多く見られます。一方で、アニメやゲームといったジャンルでは比較的支出額が抑えられるという傾向もありました。このように、ジャンルによって異なる楽しみ方があり、それが支出額にも影響を与えています。

自作グッズの増加

調査の結果によれば、約24.3%のファンが自作グッズを作ったことがあると答えています。これにより、ファンの手によるオリジナルグッズ作りが新たな文化として広がっていることがわかります。推し活は、ファン同士の交流を深める要素ともなっており、他者と共有できる楽しみを生んでいます。

メンタル面への影響

推し活がファンのメンタルや生活にもポジティブな影響を与えていることが示されました。「日々の活力や生きがいを感じる」「前向きな気持ちを保てる」といった声が多数あり、推しの存在が多くの人のモチベーションに繋がっています。ファンは推しの活躍をサポートすることで、自身も成長を実感し、新たな出会いや関係が生まれることが多いようです。

グッズ保管の新サービスの利用

増え続ける推し活グッズを安全に管理するための新サービスも注目されています。株式会社サマリーが提供する「サマリーポケット」は、温度湿度を管理した専用スペースでの保管を可能にし、保管したアイテムを手軽に確認できるアプリも提供しています。また、株式会社ソルトワークスの「MiTE KiiTE（ミテキイテ）」では、オリジナルアクリルキーホルダーを作成するサービスもあり、これを利用することでファンは自分だけのアイテムを持つことができ、嬉しい思い出の一部となります。

結論

今回の調査結果から、推し活の新たな価値観やファン活動の柔軟さが見えてきました。ファンはただ消費するだけでなく、自らの体験や思い出を大切にしながら、活動を続けています。推し活は日々の生活に活力をもたらし、人間関係を広げる効果も持っています。今後もこのような活動スタイルが多少の変化を遂げながら広がっていくことが期待されます。同時に、グッズの管理や保管方法にも新たなサービスの利用が進むことで、より充実したファンライフが実現されるでしょう。