メドリングの新たな取り組み
日本の介護業界が直面している深刻な人材不足問題に対処するため、メドリング株式会社は新たなプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)間の介護人材の循環を促進するためのDXプラットフォーム構築を目指しています。プロジェクトの初年度にあたる2025年8月1日から、インドネシアやベトナムにおいて、特定のフィージビリティスタディ(FS)調査を実施することが決定しました。この事業は、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金に採択されました。
日本の介護人材不足の現状
日本の介護分野では、2040年までに約70万人もの人材が不足すると予測されています。この状況に対処するため、日本政府は外国人介護人材の受け入れを進めています。2024年末までに約74,000人の外国人介護人材が日本で働いており、今後も新たに135,000人の受け入れが計画されています。特定技能介護として働く人材においては、就労期限が5年間とされ、その期限内に介護福祉士試験に合格しなければ、帰国する運命にあります。しかし、試験受験には3年間の従事経験が必要で、合格率も約33%に留まっているため、非常に厳しい環境です。
ASEAN地域の介護需給の現状
一方、ASEAN地域においては、高齢化が進行中で、既に多くの高齢者が暮らしています。特にインドネシアでは3,000万人、ベトナムでは1,400万人が60歳を超えており、介護に対する需要が増しています。ここで、日本での介護経験を持つ外国人が母国での介護施設に流出するリスクも懸念されています。
メドリングの介護人材循環プラットフォームの狙い
今回の調査研究は、帰国を余儀なくされた外国人介護人材(帰国介護人材)が、日系の介護施設などで活躍し、再度日本で働く環境を整えることを目的としています。帰国介護人材に意向を聞きながらデータベースの構築を進め、日本の介護事業者へのヒアリングも行っていきます。また、介護福祉士試験に向けたリスキリングプログラムも検討し、専門的な知識をもった人材を育成する方針です。
日本での再就労支援と海外での就労機会
さらに、帰国介護人材が母国で就労する際に、日本での経験や日本語スキルを生かせる環境を提供するために、日系の現地介護施設やクライアント医療機関との連携も模索しています。
今後の展望
このプロジェクトは、2026年8月末までにFS調査を完了し、その後事業を本格的に展開していく予定です。プロジェクトが成功すれば、帰国介護人材が再び日本で就労しやすい環境が整い、経験豊富な人材を日本の介護事業者が安定的に確保することが可能になるでしょう。道筋を整えることで、日本の介護業界のさらなる発展及びASEAN地域での事業展開を支えることができます。
会社情報
メドリング株式会社は、東京・渋谷に本社を置き、2019年に設立された企業です。介護や医療のDXサービスを提供しており、今後も介護人材の循環を通じて、より良いサービス提供に努めていく意向です。詳しくは
こちらをご覧ください。
このプロジェクトにより、日本の介護業界の未来がより明るいものとなることが期待されます。