いのち会議が注目する未来の共通善と知識創造の重要性
2025年10月11日、大阪の関西万博会場にて「いのち会議」が「いのち宣言」とそのアクションプランを発表しました。このイニシアティブは、いのちの意味を探求し、共通善に向かって進んでいくための重要な取り組みです。今回の記事では、いのち会議が掲げる「103のアクション」について詳しく見ていきます。
人間と未来の共通善
「人間は、未来の共通善に向かって他者と共に価値を創造する主体」といった理念が、いのち会議の根底にあります。この考え方は、故野中郁次郎教授による知識創造理論に基づいています。人間に求められているのは、他者との関係性を通じて新たな意味を生み出すことです。
近年の経営において、形式知や数値分析に偏りがちですが、これでは人間が本来持つ創造性や知恵が損なわれてしまいます。人は生の経験の中で、主観的な意味を感じ、これを科学的な客観性に変換する過程を経ることで新たな知識を創造します。
知識創造のプロセス
いのち会議が唱える知識創造は、暗黙知と形式知の相互変換を通じたスパイラルアップです。具体的には、相手の視点を理解し、暗黙知を共有することから始まります。まず、共同化を通じて暗黙知を共有し、その後、対話によって本質的な意味を探り、得られた知識を言葉や概念として形にするのです。このプロセスは、連結化と内面化という2つのステップを経て、組織的なイノベーションを生み出します。
実際、エーザイ株式会社はこの知識創造理論を経営に応用し、全従業員が共同化の活動に取り組んでいます。1%の実務時間を費やすことで、全社一丸となってこの理論を実践しています。
共感と実践知リーダーシップ
いのち会議の中で強調されるのは、共感の重要性です。共感をもとにした対話によって、個人の主観を社会や組織の客観とつなげることができるのです。これを実現するためには、真剣な議論と「知的コンバット」的なアプローチが必要です。境界を越え、一丸となって知識を共有し、全員で「スクラム」を組むことで新たな価値を創造していかなければなりません。
また、実践知リーダーシップは、このプロセスを促進する重要な要素です。アリストテレスが提唱した実践的知恵や賢慮を持って、常に最適な判断を行い、行動することが求められます。
未来に向かって
いのち会議は、未来の共通善に向かって各人が価値を創造できる場を提供することに注力しています。この取り組みが進化していく中で、他者との共感を大切にし、知識を動的に創造できる社会の実現に向かって歩んでいきます。
現代社会において、こうしたダイナミックな知識創造のアプローチは、一人ひとりが自己変革を遂げるための重要な手段となっているのです。これからも、いのち会議の活動には注目が集まることでしょう。