名古屋市のデジタル化
2021-01-14 10:31:14
名古屋市中区役所が外国籍住民支援に向けたデジタル化実験を開始
名古屋市中区は外国籍住民が多く居住している地域であり、その中でも特に児童手当申請のプロセスが大きな課題となっています。外国籍住民の割合は全市平均の約3倍となる11.6%に達し、多様な言語を話す人々が生活しています。そのため、児童手当の申請件数も年間約4,900件のうち約800件が外国籍の方からの申請です。しかし、申請書類や案内はすべて日本語で書かれており、日本語能力が十分でない住民にとっては、必要な情報を把握するのも難しい状況です。
名古屋市中区役所では、こうした課題を解決するために、デジタル技術を活用した実験を進めることになりました。具体的には、写真に注釈を付けることができるアプリ『Annold(アノルド)』を活用して、外国籍住民が自ら申請書に記入できる環境を整えることを目指しています。これにより、来庁者自身が制度の目的を理解し、自分の言語で申請書を書けるか、また、職員の負担軽減と申請時間の短縮が実現できるかを検証します。
実験では、タブレットを窓口に設置し、外国語での申請方法を提供します。このプロジェクトは名古屋市の『Hatch Technology NAGOYA』という事業の一環として行われており、昨年10月から準備を進めてきました。実験は2024年2月末まで続けられる計画です。
『Annold』アプリの特徴として、撮影した写真に注釈を追加し、タブレット端末で閲覧することが可能になります。このアプリを使って、申請書類に外国語の解説を加え、外国籍住民にとっての利便性を高めます。また、職員が一つ一つ説明する負担が軽減され、どの職員でも外国籍住民に制度を理解してもらえるようになります。
運用の流れも明確です。まず、職員が日本語でコンテンツを作成し、その後、翻訳担当者が各言語に翻訳します。そして、窓口に来た外国籍の住民に対して、タブレットの使用法を案内します。タブレットには、日本語の申請書と併せて、住民がその母国語で説明を受けるための情報が掲載されます。この実験では、英語とフィリピノ語が対応言語として提供される予定です。
名古屋市のこの取り組みは、デジタル化の一環として、特にオフラインでの顧客体験に注目したものです。『Annold』は高価なシステムを導入せず、比較的低コストで利用できる仕組みを提供します。この実験を通じて、行政サービスの質を向上させ、他の自治体や分野への展開も期待されています。アノルド社では、この実験から得られる価値を基にさらなる展開を計画しています。
名古屋市のこの実験は、外国籍住民への支援の新たなモデルを示すものであり、多文化共生社会を築くための一歩となるでしょう。
会社情報
- 会社名
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アノルド株式会社
- 住所
- 東京都中央区銀座1-22-11銀座大竹ビジデンス 2F
- 電話番号
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