明和工業が挑む新たなBtoC製品
新潟市に本社を置く明和工業株式会社。この企業は水関連インフラの製造を手掛ける中、最近、社員のチームが形にした新たな挑戦に注目が集まっています。企業理念「水の未来を拓く」に基づき、BtoB事業で培った技術をもとに、消費者向けの製品開発をクラウドファンディングで実施する運動が始まりました。
端材の有効活用
明和工業では水道事業の一環として設計・製造される水管橋の生産過程で、毎年約50トンのステンレス端材が発生します。従来、この端材は処分されることが一般的でしたが、企業はアップサイクルの視点を取り入れることにしました。これにより、端材を新たな商品へと変換し、より持続可能な企業運営を目指しています。
クラウドファンディングの展開
明和工業は4月28日から、クラウドファンディングサイト「Makuake」や「CAMPFIRE」を通じて新商品に対する支援募集を開始すると発表。これらのプロジェクトは、社員が集結し、教育と成長を兼ねて進められています。
1つ目の製品は、レーザー加工技術を用いた「キャンドルホルダー」。美しい模様が魅力のこのホルダーは、光と影の美しいコントラストを生み出し、一度点灯すると幻想的な空間を提供します。デザインは四季に合わせており、日常に春夏秋冬の風情を添えてくれます。
2つ目は、地元企業とのコラボで生まれた「ステンレスバングル」です。こちらは端材をアップサイクルし、特殊な加工を施すことで製造されています。色彩も豊富で、黒、青、シルバー、マット茶、マットネイビーの5色から選べます。このバングルは、耐久性が高く、半永久的な着色が施されたものです。技術と職人の手が光る一品です。
その他にも、釣り好き社員が設計したフィッシングルアーや、工場で培った技術を生かしたペン立て、機能的にデザインされたトイレットペーパーのホルダーなど多様な製品が登場。これらはすべて、日常の中で工業技術とデザインの美しさを体感できるアイテムとなっています。
社员の成長と企業文化の醸成
新たな商品開発に際し、明和工業は社員のアイデアを尊重し、チームビルディングや顧客視点を重視しています。少子高齢化や市場縮小の中で、企業が持つ「ものづくりの力」を最大限に活かしながら新しい価値を生み出すことを目指しています。
企業では、太陽光発電や水素蓄電システムなど脱炭素に向けたプロジェクトも進めており、環境に優しい未来を実現するための努力は続いています。今後も明和工業の持続可能な取り組みに注目が集まることでしょう。