ブッククラブの増加の背景とその魅力：大人の読書離れの中での新たな動き

オンラインで盛り上がるブッククラブの実態とは

近年、オンライン上での読書会、すなわち「ブッククラブ」の人気が高まっています。特に、オシロ株式会社が開発したコミュニティ専用プラットフォーム「OSIRO」においても、ブッククラブの開催数が急増していることが発表されました。これは、文化庁による調査で示された大人の読書離れの現実とは対照的な動きです。歴史的に、読書は個人の活動として行われてきましたが、今やブッククラブを通じて、他者と享受する新しい形が生まれています。

読書離れの現状

文化庁の最新の調査によると、1か月に本を1冊も読まないという人の割合は62.6%に達しており、これは過去最高の値です。また、69.1%が読書量の減少を感じており、特にスマートフォンやSNSの普及が影響していると考えられています。これに対抗する形で、海外ではブッククラブの重要性が増しており、オンラインでもシームレスに参加できるスタイルが若者から高齢者を含む広範な層に支持されています。

ブッククラブの実態

オシロ株式会社の調査によれば、「OSIRO」を利用しているコミュニティでは、ブッククラブの開催数が年々増加しています。2021年には333回だったが、2024年には612回に達する見込みで、イベント数がほぼ倍増したことが明らかになりました。

特に、猫町倶楽部などの団体が主催する読書会は特筆すべきで、年間32回もブッククラブが開催されており、特にオンラインでの「グローバル読書会」などユニークなイベントが展開されています。

なぜブッククラブが増えているのか

1. 読み方の変化: ブッククラブは個人の知的活動から、他者との共感を育むイベントへと変わりつつあります。選書や対話が重要な要素であり、読書を通じて他者とのつながりが生まれます。
2. 習慣の形成: 同じ本を読む仲間と共に参加することで、読書が習慣化されやすくなり、積ん読の解消にも寄与します。
3. 共通の価値観の理解: 参加者が同じ本を読み、感じたことを対話することで、互いの価値観を知り、理解を深める機会が増えます。
4. 世代や性別を超えた交流: 同じ本を介してコミュニケーションが行いやすくなり、異なる視点を得る機会が増えます。

分析と今後の展望

今回の分析から、読書をテーマとしないコミュニティでもブッククラブが数多く実施されていることが確認されました。これは、本が単なる趣味の対象にとどまらず、対話やスキルアップの手段として利用されていることを示しています。オシロ株式会社は今後も、サービスを通じて人々のタッチポイントを増やし、より深いコミュニケーションを通じた交流を促進していく方針です。ブッククラブの人気が続く中、今後どのような変化が訪れるのか、引き続き注目していきたいところです。