書店員が選ぶノンフィクション大賞2024 大賞決定
2024年10月18日、「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞 2024」の受賞作品が発表されました。この賞は、丸善ジュンク堂書店や紀伊國屋書店の書店員など、全国の書店スタッフによる投票によって決まるもので、今回も481名の書店員が参加しました。
大賞作品
見事大賞に選ばれたのは、三宅香帆さんの著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)です。この本は、現代の働く人々が抱える「読書時間の確保」や「趣味との両立」の難しさをテーマにしており、多くの人が共感する内容となっています。
三宅さんは、働きながらも執筆活動を続けており、その経験をもとに労働と読書の歴史を探求。日本における「仕事と読書」の関係性や、現代社会の労働環境の問題点を考察します。著者自身の生い立ちや方式を通じて、全ての読書好きに向けた力強いメッセージが込められています。
三宅香帆さんのプロフィール
三宅香帆さんは、高知県出身の文芸評論家で、1994年生まれです。京都大学大学院で人間・環境学を学び、専門は萬葉集です。これまでにも『ずっと幸せなら本なんて読まなかった』や『「好き」を言語化する技術』など、多数の著作を発表しています。
受賞コメント
受賞の知らせを受けた三宅さんは、「働いている人が書店に行きたくなる本を書きたいという一心で執筆した」と述べました。また、書店が厳しい状況にある中で、書店員の皆さんの力量に感謝の気持ちを伝え、書店へ足を運ぶ人を増やすことを自らの使命だと強調しました。今後も「本を読みたくなる本」を書き続ける意向を示しました。
書店員からの評価
受賞作に対して、書店員からも多くの称賛の声が寄せられています。「この本を読んで現代社会における読書の重要性を見つめ直すきっかけになった」とのコメントもあり、特にスマホに依存しがちな現代において、読書の必要性を再認識させる一冊だと評判です。
受賞記念トークイベント
「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞 2024」を記念して、三宅香帆さんのトークイベントが2024年11月13日にジュンク堂書店池袋本店で開催されます。このイベントでは、受賞作の詳細や、著者自身の執筆の背景について語られる予定です。興味のある方は、ぜひ参加を検討してみてください。
ノンフィクション大賞とは
この賞は、丸善ジュンク堂書店をはじめとする全国の書店員が2023年6月から2024年5月に公開されたノンフィクションの中から、最も「売りたい」と思う作品を選ぶものです。ノミネート作品には、多岐にわたるジャンルのものが含まれ、今年は40作品が書店員の推薦により選ばれました。
受賞作やノミネート作品のリストは、丸善ジュンク堂書店のウェブサイトで確認できます。読書好きな方々は、ぜひ新たな発見を求めて、これらの作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。