西和賀町の新たな特産品「ビスケットの天ぷら」を紹介
岩手県西和賀町の唯一の高校である岩手県立西和賀高等学校と、地元の食品メーカー味工房かたくりが共同で、地域の伝統的なおやつ「ビスケットの天ぷら」を冷凍商品として商品化しました。このプロジェクトは、西和賀高校の探究授業「魅力発見ラボ」の一環として行われたもので、地元の郷土の味を広める新たな試みです。
「ビスケットの天ぷら」とは何か?
「ビスケットの天ぷら」は、西和賀町で古くから愛されてきた伝統的なおやつです。冠婚葬祭や農作業の合間に、地域の人々が集まる場で食べられてきました。ビスケットに衣をつけて揚げる、素朴ながらも愛情のこもった一品。しかし、その日持ちの問題から、町外での販売が難しいという課題がありました。
新たな挑戦と商品化のきっかけ
高校生たちは「西和賀の味を遠くの人々にも届けたい」という強い思いを抱き、日持ちする冷凍商品の開発に挑戦しました。生徒たちは校外学習で訪れた岩手県工業技術センターで、CAS(Cells Alive System)冷凍技術に出会い、これを活用するアイデアが生まれました。試作を重ね、自然解凍でも美味しく食べられることが確認されたのです。
地元企業との連携
プロジェクトの実績を踏まえ、味工房かたくりとの協働が始まりました。この事業者は、30年以上にわたり「ビスケットの天ぷら」を広めてきた実績があります。実際に製造に向けて、試作・検証を進める中で、冷凍工程が必要と判明。そこで、味工房かたくりは町の補助金を活用して、CASと同等の性能を持つ小型急速冷凍機を導入し、商品化への道を拓きました。
さらに、パッケージデザインには県内のデザイナーと協力し、見た目にも心惹かれる商品に仕上げました。
商品の特徴と魅力
ユキノチカラから発売される「ビスケットの天ぷら」は、冷凍状態から自然解凍することで、揚げたての風味を楽しむことができます。この製品は、2025年11月1日(土)に西和賀町のふるさと納税返礼品として先行販売され、全国に向けた特産品としての期待が高まります。
関係者のコメント
西和賀高校の生徒たちは「子どもの時から当たり前に食べてきた“ビスケットの天ぷら”が、商品になるなんて夢みたいです。西和賀の味を全国の人にも知ってほしいです!」とコメント。一方、味工房かたくりの担当者は、「昔から商品化したいと考えていましたが、技術的な課題がありました。今回、高校生たちの発想がきっかけとなり、ようやく実現しました。」と喜びを表しています。
この「ビスケットの天ぷら」は、地域の人々の思いと努力の結晶であり、今後も多くの人に愛され続けることを願っています。