近鉄住宅管理がIoT化で業務の効率化を図る
最近、近鉄住宅管理株式会社がパナソニック株式会社の提供するマンション管理IoT化サービス「モバカン」を採用したことが話題となっています。この取り組みは、環境意識の高まりやコスト削減を追求する中で、従来の紙媒体での管理から電子化への移行を目指すものです。
導入の背景と目的
近鉄住宅管理は、大阪市阿倍野区に本社を置き、マンションや建物の管理を手掛ける企業です。これまでの管理業務では、管理組合の管理者に対し収支報告書を印刷し、郵送するという手間がかかっていました。しかし、2024年4月からは「モバカン」を通じて電子的に収支報告書を配信していく方針です。これにより、印刷・郵送に伴うコストと時間を大幅に削減することができます。
収支報告書配信プランの特徴
「モバカン」は、管理会社の基幹システムとの連携により管理者に収支報告書を電磁的方法で送付できます。このプランでは、個人情報の取得を新たに行うことなく、既存のLINEアカウントと住戸情報を活用して書類の電子配信を実現します。これにより、セキュリティ面でも安心して利用でき、さらに配信履歴の確認などの利便性も向上しています。
環境意識の高まりと業界の変化
最近では環境問題に対する意識が高まり、さまざまな業界でペーパーレス化が求められるようになっています。特にマンション管理業務においても書類の電子化が進められる背景として、コスト削減と環境負荷軽減が挙げられます。近鉄住宅管理でもこの流れを受けて、電子化の方向性を検討してきた経緯があります。
リスクと対策
ただ、電子化を進める中で、個人情報管理や情報漏洩のリスクを懸念する声もあります。しかし、「モバカン」の仕組みでは新たに個人情報を取得することなく運用が可能であり、管理業務の効率化を図ることができる点で大きな利点があります。
コスト削減と利便性向上
また、コスト面では郵送にかかる費用や手間が不要になるため、経費の圧縮が期待できます。さらに、パナソニックでは2024年度中に自動配信機能の実装を予定しており、より効率的な運用が進むことが見込まれています。管理者は書類を保管するためのスペースも不要となり、LINEのプッシュ通知による便利な情報配信が期待されます。
これからの展望
近鉄住宅管理は、「モバカン」の導入を皮切りに、さらに多様なITサービスを展開し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進むことを目指しています。今後全管理組合での導入を進め、住民へのサービス向上につなげていく予定です。
最後に、パナソニックも「モバカン」やその他ソリューションを通じて、マンションに関わるすべての人が快適に生活できる社会を実現する理念を持っているため、業界全体においてこの取り組みが注目されています。
近鉄住宅管理株式会社の概要
- - 事業内容: 分譲マンションの管理、建物・施設等の総合管理、賃貸マンションの管理など
- - 創業: 1996年3月
このように、近鉄住宅管理は新たなIT技術を取り入れ、今後のマンション管理業務の変革に挑む姿勢を見せています。