新たながん治療法
2024-12-05 13:27:17

新たながん治療法BNCT、血管肉腫への臨床試験が進展中

がん治療の最前線:BNCTに挑むCICSの試み



株式会社CICS(リゾートトラスト株式会社の連結子会社)は、血管肉腫に対する新しい治療法であるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の国内第Ⅱ相臨床試験に関する重要な進展を発表しました。この試験は、切除不可能な血管肉腫を対象に行われており、その主要評価に関する90日間の観察期間が完了したことが報告されています。

臨床試験の目的



本試験の主眼は、CICSが開発した中性子照射装置「CICS-1」と、ステラファーマ株式会社が提供するホウ素薬剤「SPM-011」を組み合わせたBNCTがどの程度の効果を持つかを評価することです。対象となるのは、化学療法や放射線治療が困難な局所進行または局所再発の血管肉腫患者で、他に有効な治療法がない状況です。

試験は国立がん研究センター中央病院で行われ、症例数は10例の単群試験形式で実施されています。この試験を通じて、CICSは2026年を目途に中性子照射装置の実用化を目指しています。

事業背景と研究貢献



リゾートトラストグループは、1994年にメディカル事業に参入し、以来、がん検診や治療の分野でさまざまな活動を展開してきました。特に、当時の研究用装置であった陽電子放出断層撮影(PET)をがん検診に導入したことで、国内のPET普及に大きな貢献を果たしました。また、大学病院との連携を通じて画像診断や先制医療の研究も進めてきました。

現在は、がん先端免疫治療の施設も運営支援しており、多角的にがん治療におけるソリューションを提供しています。CICSは、「がんで大切な人を亡くさない社会を作りたい」という理念のもと、さまざまな取り組みを行っています。

BNCTのメカニズム



BNCTは、がん治療の新しいアプローチの一つであり、ホウ素薬剤ががん細胞に集中的に取り込まれる特性を利用します。患者に投与されたホウ素(10B)はがん細胞に特異的に蓄積され、その後、体外から中性子線が照射されます。この際に発生する核反応によって、がん細胞が選択的に破壊される仕組みです。

BNCTの大きな利点は、原則として一度の中性子照射で治療が完了することにあります。これにより、体への負担が少なく、患者にとって非常に優しい治療法となることが期待されています。

CICS-1の技術革新



CICSが開発した中性子捕捉治療装置「CICS-1」は、RFQ(高周波四重極)というテクノロジーを活用して陽子を加速し、リチウムターゲットに衝突させることで中性子を生成します。この装置の特徴は、高速中性子の混在が少ないため、人体への悪影響が抑えられている点です。

生成される中性子のエネルギーは800keV以下と低く、BNCTに最適化されています。これにより、小型化された減速体系を持つため、より効果的な治療が可能となるのです。

未来への展望



CICSは、今後の評価やデータ解析の結果を慎重に見守りながら、本治療法の進展を目指していきます。また、リゾートトラストグループとしては、人生100年時代の健康やウェルビーイングへの貢献を、一層強化していく方針です。BNCTによる新たながん治療が、患者にとって有意義な選択肢となることを期待し、医療分野でのイノベーションを追求し続けます。


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会社情報

会社名
リゾートトラスト株式会社
住所
愛知県名古屋市中区東桜2-18-31
電話番号
052-933-6000

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