植物由来のユニフォームで社会を変える
「GREEN×EXPO 2027」の開催にむけ、横浜市に拠点を置く「GREEN×EXPO協会」が、植物由来素材で作られたユニフォームの社会実証プロジェクトを始めました。このプロジェクトは、ボランティアやスタッフを含む1万人以上がこのユニフォームを着用し、その循環プロセスを「見える化」することで、参加者が直接触れ合う形で環境問題について考える機会を提供します。
プロジェクトの目的と内容
本プロジェクトの核心は、ユニフォームを単なる衣服として提供するのではなく、循環する社会インフラとして機能させることです。これにより、以下の重要な目標を掲げています:
- - 規模: 1万人以上が使用するユニフォームの循環モデルを実装し、その評価を行う。
- - 循環: 回収率や再資源化率など、重要な指標(KPI)を会期中に公開し、継続的に更新する。
- - 快適性: 幅広い機能性を測定し、暑熱環境下でも快適に着用できることを確認する。
- - 標準化: 実験結果をもとに、他のイベントへの展開を視野に入れたモデル構築を行う。
このように、ユニフォームの設計には「Plant-First」という思想が取り入れられ、コットンやセルロースなど、植物由来の素材で構成されています。もちろん、デザインも重要で、「祝祭感」と「品位」を兼ね備えたデザインが施されています。さらに、すべての人が快適に着られるように考慮されたジェンダーフリー設計がなされています。
Team P-FACTSの役割
このプロジェクトは「Team P-FACTS」と呼ばれる共同企業体によって運営されており、株式会社ピエクレックスと株式会社V&A Japanがメンバーとして参加しています。ピエクレックス社は、ユニフォームの循環スキーム「P-FACTS」を構築し、会期が終了した後もユニフォームを回収し、堆肥化して資源として再利用する仕組みを確立しています。
環境への取り組み
「P-FACTS」は、衣服を「使い捨てるもの」ではなく「自然に還る循環インフラ」へと進化させるための挑戦です。すでに、複数の自治体や企業、教育機関と連携し、実際にその理念を社会に実装する取り組みを行っています。この取り組みを通じて、来場者にも自らの消費が環境に与える影響を知ってもらうことが狙いです。
コメンタリー
プロジェクトに関与している株式会社ピエクレックスの玉倉大次社長は、「この試みを通じて、サステナビリティを見える体験として来場者と共有し、誰もが循環に参加できる未来を広げたい」と強調します。また、GREEN×EXPO協会の河村正人代表も「ユニフォームPoCで着る→集める→資源へという流れを体験を通じて行うことが重要である」とコメントしています。このように、プロジェクトの狙いは、単なる実験にとどまらず、未来の循環型社会を形成する重要な一歩となっています。
今後のスケジュール
このプロジェクトは、2025年から2027年にかけて段階的に進められます。2025年には素材選定が行われ、2026年には主要ユニフォームが発表され、全量生産準備が整う予定です。そして2027年3月から9月にかけて、実際の会期中には社会実証プロジェクトが運用されます。
最後に
「GREEN×EXPO 2027」は、ただのイベントではなく、未来に向けた環境保護の実践の舞台でもあります。このユニフォームプロジェクトは、身近なところから始められる環境問題の解決策を提唱しており、多くの人々にインスピレーションを与えることでしょう。