長岡京市の新たな災害対応訓練
2023年9月4日、京都府長岡京市が全市的な災害対応訓練「スマホで避難報告」を実施しました。この訓練では、住民が自宅や車の中など、避難所以外にいる際の状況をLINEを介して報告し、その情報をもとに迅速に支援を行うことを目指しています。
訓練の目的
近年、日本各地で発生している自然災害において、多くの人々が避難所ではなく自宅や車中での避難を選択することが増えています。そのため、避難所以外にいる被災者の状況を把握し、適切な支援を行うことが大きな課題となっています。長岡京市では、LINEを活用することで、市民は普段通りの操作感で情報を報告でき、平常時と変わらないサポートが可能になります。
また、2025年には災害対策基本法改正が施行され、支援対象が「避難所にいる人」から「どこにいても支援が必要な人」に拡大されました。このような背景のもと、長岡京市は災害時における支援の在り方を実証する訓練を行っています。
訓練の詳細
今回の訓練は2023年9月4日、午前9時から正午まで行われました。対象者は市内全住民で、主な活動場所は長岡京市役所新庁舎と神足公民館です。訓練の流れは次の通りです:
1. 事前に追加された長岡京市のLINE公式アカウントの友達全員に訓練開始のメッセージを送信。
2. 市民はLINEを通じて、氏名や住所、避難状況、不足している物資を報告。
3. 報告された情報は、市役所内の災害対策本部で確認される。
4. 必要に応じて物資搬送の予定が市民に通知され、支援が行われる。
デジタル技術の活用
本訓練では、マイナンバーカードも活用され、参加者はこのカードを使ってスマートフォンで簡単に情報を入力できるよう配慮されています。また、最先端のデジタル技術を駆使することで、避難者の情報をリアルタイムで把握し、その後の支援につなげることが可能になります。
長岡京市の市民協働部防災・安全推進室の柿原晃氏は「災害時の基礎自治体の役割は非常に重要で、特に避難所以外の住民の状況把握は災害関連死を防ぐためにも必要不可欠です」と語りました。デジタル技術を活用したこの訓練を通じて、効率的な対応策の構築を目指しています。
今後の展望
訓練参加者からは、デジタル機能を利用することで、より迅速に避難情報を把握し、必要な支援を受けられるといった期待の声が上がっています。今後も長岡京市は、Bot Expressと連携しながら「誰も取り残さない防災」の実現に向けた取り組みを進め、全国的な防災DXの加速に寄与していく方針です。
長岡京市の試みは、防災の新たな形を示唆するものであり、今後の訓練の成果がどのように市民の安全確保につながるのか、引き続き注目が集まります。