株式会社チノーと株式会社小野測器がタッグを組む
最近、自動車業界では電動車両(EV)の需要が急速に高まっています。これに伴い、熱マネジメントシステムの重要性が増している中、株式会社チノー(代表取締役社長豊田三喜男)と株式会社小野測器(代表取締役社長大越祐史)が共同で「Thermal-VRSサーマルトランジェントベンチ」(以下、T-VRS)を開発しました。この試験装置は、電動車両の熱マネジメントシステムを精密に評価することで、開発の効率化と品質向上を図ります。
共同開発の背景
従来の内燃機関中心の自動車開発では、パワートレインやHVAC(自動車空調システム)のテストがコンポーネントごとに行われていました。しかし、より複雑で包括的な試験が求められる電動車両の開発において、両社はタッグを組み、それぞれの強みを活かした試験装置を共同開発しました。この装置によって、開発者は電動車両の試験をより効率的に実施できるようになります。
Thermal-VRSサーマルトランジェントベンチの機能
T-VRSは、電動車両の熱マネジメントに関連する構成部品に対して、実車環境を模擬した試験を行うことができます。これにより、開発プロセスが短縮され、エネルギー効率が最適化されます。具体的には、実機と仮想モデルを組み合わせた試験環境を提案することで、高速かつ高効率な開発を実現します。
この試験装置を使用することで、開発者はリアルタイムで温度やエネルギー等の複合現象を可視化できるため、これまでの分断された評価プロセスを統合し、開発初期段階からより深く現象を理解できるようになります。
販売開始と今後の展望
T-VRSは2026年末に販売を開始予定であり、今後は小野測器の宇都宮テクニカル&プロダクトセンターに設置され、モビリティの進化を先取りしたテストベンチの開発が進められます。チノーと小野測器は、この試験装置により、日本の電動車両開発におけるシェア拡大に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現に向けてさらなる努力を続けるとしています。
それぞれの会社の紹介
株式会社チノー
1913年創業のチノーは、極低温から高温に至るまで、様々な温度を計測・制御・監視できる製品を手掛けています。2026年には創立90周年を迎え、広範な産業に対して持続可能な社会の実現を追求しています。
株式会社小野測器
1954年に設立された小野測器は、電子計測機器の開発・販売を行っており、自動車産業や医療分野など、多岐にわたる業界での経験を有しています。最近では、電動車両開発支援にも力を入れており、カーボンニュートラル社会の実現に向けて新たなビジネス領域に進出しています。
両社の協業は、電動車両の開発を加速させるだけでなく、未来の持続可能な社会に向けての大きな一歩となることでしょう。今後の展開に注目です。