東京都が推進するリニューアブルディーゼルによる脱炭素化
東京都は、鉄道分野における脱炭素化を目指したプロジェクトの一環として、バイオ燃料「リニューアブルディーゼル(RD)」の活用を進めています。本事業は、伊藤忠エネクス株式会社、JR東日本、ユニオン建設株式会社、東鉄工業株式会社、交通建設株式会社、及びJR東日本商事が共同で応募し、公募によって採択されました。これにより、東京都の鉄道分野での環境保護に貢献する取り組みが始まります。
事業の概要
本プロジェクトでは、伊藤忠エネクスが世界最大手のリニューアブル燃料メーカーであるフィンランドのNeste OYJからリニューアブルディーゼルを調達します。JR東日本とその関連企業は、鉄道の保守や工事で使用される機械にこのバイオ燃料を活用します。また、JR東日本商事により供給や活用の管理が行われ、より効率的な燃料使用が期待されています。
事業の具体的な使用期間は2025年10月から2027年3月までで、運行予定の主な鉄道路線は山手線、中央線、常磐線となっています。年間の総走行距離は8,000kmを見込んでおり、CO₂の削減量は約172トンとされています。
リニューアブルディーゼルの特長
リニューアブルディーゼルは、食料用油や廃動植物油など、環境に配慮した原料から製造されるカーボンニュートラル燃料です。温室効果ガスの排出量を実質的に100%削減できる特性を持ち、ライフサイクルアセスメント(LCA)による分析では軽油と比較して最大90%のCO₂排出量の削減が可能です。
公式のウェブサイト(
伊藤忠エネクス リニューアブルディーゼル)でも、詳細な情報が紹介されています。
RDを使用した機械
プロジェクトにおいてリニューアブルディーゼルを利用する機械には、以下の2つがあります。
1.
軌道モータカー
レールやマクラギ、砕石などの軌道材料を運搬するための特別な機械です。これにはRDを導入し、走行用エンジンが動作します。
2.
進路確認台車など
工事に従事する者が前方を確認したり、材料を運搬する際に使用する機具です。発電機を用いて照明などを動かす際にもRDを採用します。
まとめ
このプロジェクトは、東京都がカーボンニュートラルを実現するための重要なステップです。リニューアブルディーゼルを活用して、運輸部門のCO₂排出量を減少させ、持続可能な未来を築いていく姿勢が強調されています。今後の進展に期待が寄せられています。