東大発スタートアップとテクノクラフトによる業務提携の背景
日本は超高齢社会を迎えており、医療費の抑制や地域活性化を含む健康寿命の延伸が重視されています。中でも、認知症といった高齢者疾患の予防は重要な課題です。そこで注目されているのが、デジタルデータを活用した「デジタルヘルスケア」です。これにより、疾病の早期予防が進むことが期待されています。
そのような背景の中、東京大学発のスタートアップであるAI予防医学研究所と、テクノクラフトが業務提携を結びました。この提携の目的は、両社の技術とリソースを融合させ、認知症分野での予防医療を推進することです。AI予防医学研究所が持つ認知症リスク判定AI「AICOG」を活用し、テクノクラフトが展開する健康見守り事業を統合することで、より幅広いトータルサポートを目指します。
特に、テクノクラフトは国内シェアトップクラスのゴルフナビ事業を手掛けており、バイタル情報を取得するスマートウォッチをすでに開発しています。このデバイスを用い、健康状態をリアルタイムで監視し、高齢者の安全を守る役割を果たしています。
業務提携の具体的な内容
この提携では、認知症に関する予防医療をさらに推進するため、以下の事業が共同で進められます:
- - 製品の共同開発
- - AIによるデータマイニング事業
- - 共同マーケティング事業の展開
特に注目すべきは「AICOG」です。これは特別な検査を必要とせず、一般的な健康診断のデータだけでリスクを推定できるため、非常に効率的です。テクノクラフトのスマートウォッチと組み合わせることで、取得したバイタルデータを用いたリスク予測や健康アドバイスが可能になります。そして、GPS機能を活かせば、認知症の発症後でもその人をリアルタイムで見守ることができるのです。
将来的な展開
この提携により、認知症の「予防・リスク予測・発症対策・発症後の見守り」という全体的な解決策を提供することが目指されています。具体的な展開先としては、自治体や企業、高齢者施設、病院などが考えられるでしょう。
AICOGの紹介と将来性
「AICOG」は、酒谷薫博士によって開発されたアルゴリズムで、生活習慣病やフレイルの影響から認知障害のリスクを予測することができます。従来の検査を必要とせず、非常に柔軟に機能する点が魅力です。健診データを用いることで、個人に適した健康管理プランを提示できるため、パーソナライズされたアプローチが可能になっています。
まとめ
医療費の抑制と社会の活性化は、超高齢社会において極めて重要なテーマです。AI予防医学研究所とテクノクラフトの提携は、その解決に向けた一歩として、多くの期待を集めています。これからの展開に注目です。