「献立作成エンジン」の開発背景
株式会社Laboro.AIと味の素株式会社が共同で開発した「献立作成エンジン」は、家庭での食事作りの悩みを解決する画期的なAIソリューションです。このエンジンは、味の素の持つ10,000以上のレシピデータを元に、栄養バランスと個々の嗜好に応じた献立を提案します。
味の素は「10億人の健康寿命の延伸」をビジョンに掲げており、この目的に向けて、食材だけでなく、栄養面でも顧客に価値を提供することに力を入れています。そこで、Laboro.AIとの提携により、「未来献立®」というWEBサービスを通じて、ユーザーが自身の好きなメニューを選びつつ,栄養バランスを考慮した献立を提案する仕組みが開発されました。
「献立作成エンジン」の機能
このエンジンは、単にレシピをつなぎ合わせるだけではなく、各家庭の特性やニーズに対応する複雑な条件を考慮して、違和感のない献立を作成します。たとえば、減塩ニーズや嫌いな食材、運動習慣に基づいた個々のニーズを考慮し、最適なメニューを提供します。これにより、専門家に限らない家庭の料理人にも、おいしさと栄養を兼ね備えた献立を提案することが可能となりました。
また、「献立作成エンジン」はAPIとして外部サービスと連携することができ、様々な企業が自社プラットフォームに組み込んで利用することも期待されています。これにより、味の素はさらなる顧客価値の創出に貢献し、社会全体の健康向上につながる取り組みを強化しています。
Laboro.AIと味の素の取り組み
Laboro.AIの代表取締役CEOである椎橋徹夫氏は、「すべての産業の新たな姿をつくる」というミッションのもと、AIを活用した新たなビジネス価値の創出に注力しています。今回のプロジェクトは、味の素が持つ豊富なデータとノウハウを元に、相互の知見を生かした結果実現できたものです。彼は、味の素との共創の場が大変貴重な瞬間であったと述べており、今後の展開についても期待を寄せています。
対する味の素株式会社のR&B企画部マネージャー、勝美由香氏は、デジタル技術を活用した新たな農や食環境の提供が進む中で、この「献立作成エンジン」が企業だけでなく一般家庭の食生活にも貢献できると確信しているとコメントしています。彼女は、「利用者が楽しく食事をするための手助けをする」という味の素の理念が、このプロジェクトを通じて具現化されたと考えているのです。
今後の展望
「献立作成エンジン」は、今後、より多くの外部サービスとの連携を推進することにより、家庭の食生活にさらなる便利さをもたらすことが期待されています。AIの技術革新を背景に、これまでは専門家の領域であった栄養バランスの取れた献立が、手軽に家庭でも実現できる時代が来るのです。私たちの食卓がどのように進化し、毎日の食事がどのように変化するのか、今後の展開に注目が集まります。これにより、味の素が掲げる「10億人の健康寿命の延伸」というビジョンが、ますます具現化されていくことが期待されています。