訪日外国人旅行者が注目する日本の自然・景勝地の動向分析
株式会社ナビタイムジャパンは、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用データを基に、日本の自然・景勝地への外国人の来訪状況を分析しました。この研究は、2023年の観光庁の調査に基づいており、訪日外国人が日本訪問時に期待することの中で「自然・景勝地観光」が11.5%を占めることが明らかになっています。これにより、外国人旅行者の自然や絶景への関心が高いことが伺えました。
分析対象地域
惑わされがちな情報の中で、今回は次のエリアの訪問状況を取り上げます。
- - 上高地及び周辺の山岳景勝地(長野県松本市)
- - 紀伊山地の霊場と参詣道(三重県、奈良県、和歌山県)
- - 藻岩山(北海道札幌市)
1. 上高地及び周辺の山岳景勝地
長野県松本市に位置する上高地では、大正池や河童橋が人気スポットとなっています。国籍別で見ると、アジア圏からの旅行者が河童橋や大正池に多く訪れ、欧米の旅行者は焼岳や穂高連峰といった登山エリアに足を運んでいるという興味深い傾向が見えました。特に、台湾やタイからの訪問者は多数を占め、欧米圏ではドイツ、オーストラリア、アメリカの旅行者が目立ちます。
2. 紀伊山地の霊場と参詣道
三重県、奈良県、和歌山県に跨る紀伊山地では、主に熊野本宮大社に中国人観光客が多い一方、高野山周辺には米国やフランス、イタリアからの旅行者が多く訪れることが確認されました。また、熊野古道沿線でも台湾人やオーストラリア人の姿も見え、地域ごとに異なる国籍の旅行者の動向が明らかになりました。
3. 藻岩山
北海道札幌市に所在する藻岩山は、香港の旅行者やイギリスの旅行者に人気があるスポットです。特に、夜景が評価されており、18時から22時の夜間に多く訪れている様子がデータで確認されました。これは外国人旅行者にとって、日中だけでなく、夜の顔を持つ観光スポットとしても注目されている証拠と言えます。
移動データによる分析の重要性
ナビタイムジャパンは、訪日外国人へのナビゲーションアプリを通じたデータ収集を行っており、移動に関するビッグデータを有効活用しています。この詳細なデータ解析により、訪日外国人旅行者のニーズや行動パターンを理解することにつながります。
おわりに
訪日外国人旅行者が選ぶ自然・景勝地のニーズは、地域の観光戦略の参考になり、さらなる観光振興に寄与することが期待されます。ナビタイムジャパンのデータを元に、日本の自然美を再発見し、多くの訪問者を迎える環境を整えていくことが求められています。