日本材料技研が提案した低熱膨張樹脂の開発
2023年、東京都中央区を拠点にする日本材料技研株式会社は、革新的な「低熱膨張熱可塑性樹脂コンポジット」の開発が、公益財団法人東京都中小企業振興公社の「令和8年度新製品・新技術開発助成事業」に採択されたことを発表しました。
この助成事業は、東京都内の中小企業の研究開発を支援し、技術力の向上と新しい市場の開拓を促進するために設けられたものです。日本材料技研は、加熱時に収縮する特性を持つBNFOという負熱膨張材料を活用し、新たに光通信コネクタ向けのコンポジット材料を開発していきます。
BNFOの特性とその利点
一般的な材料は温度が上がると膨張しますが、BNFOは逆に収縮する性質を持っています。この効果を利用することで、他の樹脂材料との複合化が可能となり、温度変化に伴う寸法変化を最小限に抑えることが期待されます。
データセンターや光通信機器では、機器が発熱することで内部温度が変動しますが、その影響で構成部品の熱膨張が発生し、光ファイバー間に微小な位置ずれが生じることがあります。これが通信損失の原因となるため、光通信コネクタには高い寸法安定性が求められています。
既存材料の限界
これまでの光通信コネクタ向け材料には、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などのスーパーエンジニアリングプラスチックを使用し、シリカなどの無機フィラーを高濃度で配合してきました。しかし、一般的な無機フィラーは正の熱膨張特性を持つため、さらなる低熱膨張化には限界があるのが現状です。
新たなアプローチ
今回のプロジェクトでは、当社が開発したBNFOをPPS樹脂に加えることで、温度上昇による寸法変化を抑える新しい熱可塑性樹脂コンポジットの開発を行います。これにより、高い寸法安定性を備えた光通信コネクタ向け材料が実現可能になると期待されています。
未来への期待
日本材料技研は、この助成事業を通じて、光通信業界のニーズに応えるための材料開発を推進していく方針です。また、BNFOの社会実装を加速させることを目指しており、研究開発の進展を期待する声が高まっています。
会社概要
- - 会社名: 日本材料技研株式会社
- - 設立: 2015年8月
- - 資本金: 1億円
- - 代表者: 浦田 興優
- - 事業内容: 機能材料事業
- - 企業ホームページ: 日本材料技研
この革命的な新技術が、どのようにして産業界に影響を与えていくのか、今後の動向に注目が集まります。