株式会社関通が開催する生成AIアイデアコンテストの成果
物流業界において、革新を追求する株式会社関通が「生成AIアイデアコンテスト」を開催しました。社員が自ら考案した生成AIの活用アイデアを競うこのイベントは、広範な部署からの参加を受け付け、実際の業務に役立つ提案を募る目的で実施されました。
コンテストの背景
関通は、物流分野における優れた現場力を基にしつつ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を企業戦略の中心に据えています。生成AIは、単なる業務効率化の手段だけではなく、新たな収益源の確保や社員の成長を促す非常に重要なツールとして捉えられています。そこで、社員が自ら生成AIを業務にどう活用するかを模索するべく、このコンテストが企画されました。
コンテストの概要
このコンテストでは、発表形式が特徴的で、各参加者は3分間のプレゼンテーションを行い、その後デモンストレーションを行います。参加者は全社員を対象にし、テーマは生成AIを活用した業務の効率化や新たなサービスの創出という広範囲にわたりました。上位3位にランクインしたチームには、合計30万円の賞金が授与されるという特典が用意されていました。
寄せられたアイデア例
このコンテストには、なんと15件以上の多彩なアイデアが寄せられました。いくつかの代表的な提案を紹介します:
- - 経理部門では、「請求業務の完全自動化」を提案。請求書の作成からアップロードまでをワンクリックで完結させる取り組みを目指します。
- - 総務部門からは、「有給計算・通知の自動化」が報告され、打刻漏れを未然に防ぐSMS通知を実装。
- - 現場部門は、「空きロケーション自動リスト化」を確立し、倉庫の在庫データを基に入庫作業の効率を高めます。
- - 営業部門からは、電話やオンライン会議の議事録から自動的にアクションを生成する「案件進捗管理AI」が提案されました。
- - 採用部門は、「相性分析ツール」を開発し、チーム編成を最適化して組織力を最大化する取り組みを実施。
受賞チームの栄光
コンテストの結果、特に多くの票を集めた3チームが受賞しました。例えば、
受注管理チームはビッグデータをAIで分析し、「使えるKPI」を抽出するレポートを作成し、戦略的な販売施策を提案しました。
営業チームの「営業管理アプリ」はすでに実用化が進んでおり、外販の可能性も評価されています。最後に、
情報セキュリティチームは、「監査チェックアプリ」を開発し、スプレッドシートの限界を打破する努力を示しています。
今後の展望
今回のコンテストで得られたアイデアは、社内での実装が進められ、受注処理、営業活動、監査対応など多くの現場で活用される見込みです。この取り組みにより、業務の効率化が図られ、社員はより価値の高い業務に集中できる環境が整うことが期待されています。また、「AI Innovators Forum 2025」への応募も行いましたが、残念ながら採択には至りませんでした。しかし、この経験を通じて、AI活用の方向性を再確認することができました。
代表者のコメント
代表取締役社長の達城久裕は「AIは業務をなくすだけでなく、新たな収益を生む力がある」と述べ、社員一人ひとりがAIを自身の分身として活用できる可能性を強調しました。これにより、現場から生まれたアイデアが実際の事業化につながり、物流業界の未来を開く重要な力となると確信しています。
株式会社関通の詳細
最後に、株式会社関通についてご紹介します。2014年に設立され、関西と関東に20拠点を構える物流業者であり、年間約1300万個以上の出荷実績があります。要望に応じた物流サービスの提供や、物流管理システムの開発を行っています。会社の成長と共に、DX推進に力を入れ、お客様に貢献していく姿勢を持ち続けています。