はじめに
近年、私たちの生活や仕事におけるAI技術の進化は目覚ましく、その影響は特に若い世代に顕著です。中でもZ世代と呼ばれる22歳から28歳の会社員は、生成AIの導入に前向きであり、その使い方にも独自の工夫を凝らしています。LINEヤフーコミュニケーションズが行った最新の調査によれば、Z世代の約70%が上司に提出する資料やメールにおいて、AIによる「チェック」を日常的に取り入れていることが分かりました。
AIチェックの目的
この「AIチェック」とは、提出前に生成AIを使って資料や文書を推敲し、内容をブラッシュアップする行為です。驚くべきは、その目的が単なる作業時間の短縮(タイパ)を上回り、評価や信頼の保持、さらには上司との質の高い相談を重視している点です。具体的には、調査に参加したZ世代の仕事の意識として、上司への信頼を損なわないため評価・信頼を維持することが最も重視されており、相談の質を高めるための活用が続きます。
AIチェックの普及状況
調査結果によると、69.6%のZ世代が提出前に「ほぼ毎回」または「時々」AIチェックを実施していると答えました。中には82.5%と高い割合でAIチェックを取り入れている人もおり、特に「提出前に体裁を整える」ことが日常化していることが窺えます。これが事務作業を効率化するだけでなく、Z世代の目的としては、上司との会話をより深いものにするための準備としての側面が強いといえるでしょう。
より質の高い相談を目指す
この調査からは、Z世代がAIを利用し上司とのコミュニケーションを質的に向上させる意識が期待されます。上司には作業のチェックよりも、より重要な意思決定やリスク評価に専念してもらいたいという意向が強く、AIによる事前準備がこれをサポートしています。業務上の指摘やストレスの軽減も求められ、「高い成果」を生まなければならないプレッシャーの中でAI技術を積極的に活用する傾向が見られます。
「文脈込みの判断」の重要性
さらに、Z世代が目指す上司の役割は単純な指導者としての姿にとどまらず、文脈や背景を考慮した判断を下す「旗振り役」としての重要性が浮上しています。これは、知識の伝達をAIが補完することで、より貴重な人間ならではの判断を仰ぎたいという意識が高まっているためです。
職場環境とAIの関わり
また、調査ではAIが導入された職場において働くZ世代(AI入社組)の方が、AIチェックを行う割合が高いことが明らかになりました。このことから、AIが標準化された環境が業務習慣へ良い影響を与えていることが考察されています。
心理的安全性と生成AIへの信頼関係
心理的安全性が高いチームにおいては、生成AIへ高い信頼を寄せる傾向が強く、弱いチームでは信頼度が低くなるというデータも明らかになったことから、環境要因がAIの活用に影響を及ぼすこともみてとれます。このことから、単にAIツールを導入するだけでなく、組織全体で率直に話し合える空間を形成していくことが重要であることが強調されます。
まとめ
本調査から明らかになったのは、Z世代がAIを使った業務効率化にとどまらず、上司とのより深いコミュニケーションを目指しているという新しい仕事のスタイルです。AIが形式面の不備を補完し、上司の役割が意思決定へとシフトする時代が到来しています。LINEヤフーコミュニケーションズでは、今後も生成AIの活用を推進し、コミュニケーションの質向上に向けた取り組みを進めていきます。
調査概要
- - 調査名:生成AI時代の業務意識と上司への期待に関する調査
- - 調査時期:2025年12月23日〜26日
- - 方法:インターネット調査
- - 対象:Z世代(22歳〜28歳)会社員、生成AI導入職場に限る
- - 有効回答数:527名
- - 実施主体:LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社
今後の動向に注目が集まります。