理系女子の未来を切り拓くワークショップ
令和7年6月、岩手県一関市にある一関工業高等専門学校(以下、一関高専)が主催するワークショップ「Cupful of Science ~ブルーベリー・スペクトラム:pHで変わるカップケーキの色彩実験~」が開催され、多くの参加者が理系ズの魅力を体験しました。これはJST女子中高生の理系進路選択支援プログラムの一環で、特に女子中高生を対象にしたアプローチです。
カップケーキ作りで学ぶ科学の秘密
ワークショップでは、参加者がブルーベリーに含まれる色素アントシアニンの性質を活かし、水素イオン指数(pH)の変化とカップケーキの色の関係を実験しました。このカップケーキ作りを通じて、参加者は酸性、アルカリ性、中性の環境での色の変化を実感するという興味深い体験を得ました。
6月8日と21日の2回にわたり開催され、特に女性教職員や女子学生団体「STEAM-nitic」のメンバーが支持する中、参加者たちは意欲的にカップケーキ作りに取り組みました。中川裕子教授が講師として参加し、アントシアニンの吸光度スペクトルについて解説。分析装置を用いた実験を通じて、具体的なデータをもとに理解を深めました。
感覚を使った科学の探求
参加者は基本のブルーベリーカップケーキのほか、レモン汁を多めに使った酸性カップケーキ、重曹を加えた塩基性カップケーキの3種類を作成しました。出来上がったカップケーキは、見た目の色の違いや膨らみ方、味においても多様な変化が見られました。参加者はこの体験を通じて、身近な食材を通じた科学の魅力を実感したことでしょう。
さらなる機会の提供
このワークショップは大いに好評を博し、今後も同様のイベントが予定されています。令和7年9月20日には再度ワークショップが行われる予定で、同じく多くの参加を期待しています。これにより、参加の機会を広げ、さらなる関心を引き出す狙いがあります。
プログラムの目的
JST女子中高生の理系進路選択支援プログラムは、女子中高生の理系選択を支援することを目的としており、地域の特性や一関高専の取り組みに基づいた内容になっています。理工系分野では、男子学生に比べて女子学生の比率が極めて低く、一関高専はこの問題に対処するため、女子中高生を中心にデザイン思考や生成AI、理工系知識を活かした新たなものづくり体験を提供しています。
地域を支える一関高専
一関工業高等専門学校は、1964年に設立され、地域とともに成長し続けている信頼の高い教育機関です。教育理念は「明日を拓く創造性豊かな実践的技術者の育成」であり、理工系の人材を育てることに力を入れています。地域のニーズに応えながら、学生一人ひとりの成長をサポートしているのです。
このような取り組みを通じて、未来の理系女子が育ち、様々な分野で活躍することを期待しています。プログラムの参加者は科学の楽しさを体験し、将来の選択肢を広げるきっかけも得たことでしょう。今後のイベントにも大いに注目です!