国内初の試み!和歌山でのセーリング大会における風況観測データとは
2025年7月と8月、和歌山セーリングセンターにて開催される全日本ミドルボート選手権大会、JSAFジュニアユースセーリングチャンピオンシップ、全国高等学校総合体育大会ヨット競技大会(インターハイ)で、メトロウェザー株式会社の協力により、国内セーリング大会初のリアルタイム風況観測データの提供が行われることが発表されました。これにより、競技者や観客は新しい視点でレースを楽しむことができるようになります。
競技力向上と観客体験の革新
メトロウェザーは、独自開発したUIを用いて、2Dおよび3Dデータ配信を実施します。特にインターハイでは、3Dデータが導入され、より視覚的に楽しめる形で風の状況をリアルタイムで配信します。これにより、競技者は風況を正確に把握しやすくなることで、パフォーマンス向上が期待されるほか、観客もレース中の戦略や攻防をより理解しやすくなります。
リアルタイム風況観測データ配信の背景
今回の取り組みは、2024年に開催された国際ヨットレース「BIWAKO DRAGON INVITATION 2024」に起因しています。このレースで実施したリアルタイム風況観測が好評を博し、様々なヨットレース関係者から関心を集めました。これが契機となり、和歌山セーリングセンターとの協力が決定し、国内で初めての試みが実現しました。
和歌山セーリングセンターは、日本で最大級のセーリング施設であり、2008年からナショナルトレーニングセンターに指定されています。メトロウェザーは、風況をリアルタイムで可視化する技術を用い、競技者の育成をサポートしつつ、観客にも新たなエンターテインメント体験を提供します。
技術的実現のための強力な協力
風況観測データ配信は、メトロウェザーのドップラー・ライダー技術によって実現します。この技術は赤外線レーザーを使用し、大気中の塵の動きを捉えることで、風況を3次元的に可視化します。また、株式会社RedDotDroneJapanとTrac Trac Japanとも連携し、3Dデータ配信をより躍動感あるものにしています。
- - 2Dデータ配信: 風速や風向きを色によって示し、シンプルで分かりやすいデータを提供。
- - 3Dデータ配信: よりリアルな風況を粒子と色で表現し、各艇の動きをリアルタイムで確認可能。
これまで陸地での観戦は海岸沿いやTV中継に限られていましたが、この新しいデータ配信により、現場での観客も競技の臨場感を味わいながら楽しむことができるでしょう。
開催大会の概要
以下は、リアルタイム風況観測データ配信が行われる大会の概要です。
1.
全日本ミドルボート選手権大会(7/19〜7/21): 和歌山マリーナシティで行われる本大会は、インショアレース7レースとディスタンスレース1レースの計8レースで構成されています。
2.
JSAFジュニアユースセーリングチャンピオンシップ(7/26,27): ジュニア部門での競技が予定されており、全クラス合計で7レースが行われます。
3.
全国高等学校総合体育大会(8/12〜8/16): 開会式や閉会式が行われるほか、トライアルレースも含まれる大会です。
最後に
この新たな技術の導入により、競技者はもちろん観客にとっても、セーリング大会の楽しみ方が大きく変わることでしょう。風を感じることができるリアルタイム風況観測データがもたらす新しい観戦スタイルに、期待が寄せられています。