高収入パワーカップルの離婚意識、意外な実態とは?

高収入カップルと離婚意識の現実

最近の調査で、世帯年収が1,500万円を超えるパワーカップル層の4割が「離婚を意識している」という実態が明らかになりました。これは株式会社CAREER FOCUSが行った「キャリアと夫婦関係・離婚に関する実態調査」の結果で、高収入が必ずしも幸せな結婚生活に結びつかないことを示しています。

調査の概要

調査は、離婚経験者や既婚者450名を対象に行なわれ、経済的成功が夫婦関係に新たな問題を引き起こしていることを明らかにしました。「キャリア格差」「対等性のジレンマ」「時間の枯渇」という3つの構造的問題が、現代の夫婦関係を蝕んでいるといいます。

高収入層に浮かぶ離婚の影

世帯年収1,500万円以上のカップルでは、特に「キャリア格差」が離婚の火種となっています。具体的には、夫のキャリアが妻を上回った場合、妻の多くは「自分の成長が止まった気がする」と感じ、嫉妬感や劣等感に悩まされることが多いようです。実際に、調査対象の55.3%の夫は、妻の年収が自身を上回ったことにより「自分の存在価値を問うようになった」と回答しています。

対等性のジレンマ

さらに、パワーカップルは「対等な関係」を理想とし、家事や育児も平等に負担するとしています。しかし、その理想が時にはストレスとなり、「家事を1時間多くしたら、あなたも何かで返して」といった無意識の貸し借りが積み重なり、夫婦関係が悪化しています。このような不寛容が、微細な不均衡を生む温床になれてしまっているのです。

時間は金で買えない

高年収層の多くは、仕事に集中するあまり、夫婦の関係に必要な「時間資本」が不足していることも問題です。なんと、62.1%が「夫婦の会話時間は1日15分未満」と答えています。この状況が続くと、互いの価値観や悩みを共有することも難しくなり、夫婦は単なる「同居人」と化してしまいます。

夫婦関係の維持がもたらす幸福

調査を通じて得られた当事者の声も無視できません。「夫の昇進を喜べなかった」「家事や育児に費やした時間が無視された」という心の叫びが寄せられ、経済的成功が必ずしも夫婦の幸福につながらないことが浮き彫りになりました。

株式会社CAREER FOCUSの見解

株式会社CAREER FOCUSの代表取締役、東田尚起氏は「パートナーの昇進を素直に喜べなかったという声は多く、これは特別なことではない」と語り、キャリアと家庭の問題が切り離せない時代にいることを指摘します。

このように、経済的成功が必ずしも幸せな夫婦生活を保証するわけではありません。夫婦はお互いのビジネスパートナーでもあるという認識が、今後の夫婦関係を良好に保つために重要だと言えるでしょう。