オフィス需要が回復! 東京都心5区の空室率が2か月連続で低下
三幸エステート株式会社が発表した最新のオフィスマーケットレポートによると、2024年10月度の東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の大規模オフィスビルの空室率は前月比マイナス0.22ポイントの3.95%と2か月連続で低下しました。これは2022年2月以来の3%台となり、オフィス需要の回復を示唆しています。
空室率が低下した背景には、まとまった面積の空室が消化されたことや、10月には大規模ビルの新規供給がなかったことが挙げられます。また、潜在空室率も前月比マイナス0.15ポイントの5.88%と低下し、2021年1月以来の5%台となりました。
募集賃料は上昇傾向、立地条件の良いエリアで顕著
募集賃料は11か月連続で前月から上昇または横ばいとなっており、緩やかながらも上昇傾向にあります。特に、立地条件が良好なエリアや募集状況が改善したビルでは、募集賃料を引き上げるケースが増加しており、リーシング活動が停滞しているビルとの二極化が生じている状況です。
オフィス需要は拡大傾向、ただし課題も
オフィス需要の指標となるネット・アブソープションは、2023年第4四半期から4期連続で需要が供給を上回る需要超過となっています。直近の2024年第3四半期は約7万坪の高水準となり、オフィス需要の力強さが伺えます。
アナリストは、オフィス需要の拡大傾向は今後も続き、年間でもネット・アブソープションが新規供給を上回る可能性が高いと予測しています。しかし、最寄駅からの距離や利用可能な路線数といった立地条件に課題があるエリアでは、依然としてリーシング活動が長期化している状況です。需要には立地条件で課題があるエリアにまで広がる程の旺盛さは見られない点には留意する必要があると指摘されています。
今後のオフィス市場の展望
オフィス市場は、需要拡大と同時に、立地条件による二極化が進んでいる状況です。今後も、オフィス需要は堅調に推移すると予想されますが、立地条件の優劣がより顕著になる可能性も考えられます。企業は、自社の事業内容や従業員の働き方を考慮し、最適なオフィス空間を選択することが重要になります。