緩和ケア病棟での家族とのつながりを取り戻すために
新型コロナウイルスの影響で、緩和ケア病棟への面会が制限され、患者さんたちは悲しみや孤独を感じることが増えました。そこで、全国の緩和ケア医たちが集結し、「コロナ禍で家族と会えない終末期医療の現場にテレビ電話面会を」という新しいプロジェクトを発表しました。この取り組みは、入院中の患者さんが家族と繋がる手助けをし、彼らの孤独を少しでも和らげることを目的としています。
プロジェクトの背景
緩和ケア病棟では、患者さんの身体的な痛みを和らげる治療が行われていますが、精神的な辛さや不安を軽減することは医療者だけの力では難しいのが現実です。特に、家族との対面ができない状況は、患者さんと家族の双方に大きな負担をかけています。声だけでのコミュニケーションでは限界があるため、インターネットを通じて顔を見ながら話せる環境を提供しようとしています。
テレビ電話がもたらす安心感
このプロジェクトでは、タブレット端末を用いたテレビ電話面会の普及を目指しています。タブレットを用いることで、大きな画面で直接顔を見ながら会話ができ、安心感を得られるのです。特に高齢の患者さんが多い緩和ケア病棟では、スマートフォンをうまく扱えない方も多いため、タブレットの導入が重要です。さらに、Wi-Fi環境が整っていない病棟でも対応できるように、SIMカードが使えるタブレットを選定する予定です。
プロジェクトの具体的な取り組み
このプロジェクトはクラウドファンディング「READYFOR」を通じて資金を集め、30台以上のタブレットを購入して全国の緩和ケア病棟に寄贈することを目指しています。病棟に寄贈されたタブレットは、LINEやSkypeといったアプリを通じて家族と患者がリアルタイムでつながることを可能にします。
参加者の思い
プロジェクトに参加している医療従事者たちからは、家族との通信が患者の心の支えとなるという声が寄せられています。例えば、神戸大学医学部の木澤義之教授は、「終末期の患者にとって、限られた時間を大切な人と過ごすことが非常に重要である」と述べ、技術の重要性を強調しています。また、国立がん研究センターの松本禎久教授も、タブレットを使った面会が患者の精神的支えになると期待を寄せています。
あなたの支援が必要です
現在、このプロジェクトはオンラインで支援を募っており、目標金額は300万円です。私たち一人一人がこの取り組みに賛同し、少しでも協力することで、多くの患者さんやその家族が安心できる時間を取り戻すことが可能です。あなたの応援が、患者さんの心を支える力となります。ぜひ、私たちのプロジェクトに参加してください。
▼プロジェクト詳細
プロジェクト名:コロナ禍で家族と会えない終末期医療の現場にテレビ電話面会を
URL:
READYFORプロジェクトページ
募集期間:2020年5月14日〜6月30日
目標金額:300万円
募集方式:All-or-nothing方式
このプロジェクトが進むことによって、緩和ケア病棟における家族とのつながりが復活し、患者さん一人ひとりが少しでも楽に過ごせることを心から願っています。