金融機関のデータ活用を促進する『事例MAP』の誕生
一般社団法人金
融データ活用推進協会(FDUA)が発表した『事例MAP』が、金融業界におけるデータ活用の取り組みを一元的にまとめた初版を完成させました。この『事例MAP』は、金融機関がどのようにデータを活用しているのかを知る手助けとなり、業界全体のデータ活用レベルの向上を目指しています。
背景
近年、金融業界においてデータ活用への意識が高まっていますが、特に新たに取り組みを始める金融機関にとってはデータ活用の第一歩が何であるかを見極めることが大きな課題となっています。また、既にデータ活用を進めている金融機関でも、自社の進捗状況や欠けている取り組みを把握することが難しい現状があります。これらの課題を解決するために、多くの金融機関が具体的な事例をもとに学び合い、次のステップを検討できるようにつくられたのが『事例MAP』です。
『事例MAP』の内容
『事例MAP』は、加盟する金融機関が自身のデータ活用に関する実績や取組内容を書き込むことで、互いにその情報を共有し合うためのプラットフォームです。具体的には、6つの分類に分けられた取組テーマ(分析テーマ、IT・基盤、人材育成、組織、ガバナンス、その他)に沿って、それぞれの金融機関の取り組みが整理されています。
これにより金融機関は、他の成功事例や課題点を容易に把握でき、自社の次の取り組みを考える際の参考にすることができます。さらに、各取り組みのステータスや活用ソリューション、難易度、費用対効果に関する情報も含まれており、実際に社内での戦略を立てやすくなります。
具体的な活用例と今後の展望
金融機関はこの『事例MAP』と事例集を活用し、データ活用に関する具体的な内容や実績評価を見ながら、自社の取り組むべき方針を検討できます。今後も事例MAPの内容を充実させるために定期的な更新が行われる予定です。また、金融機関間での勉強会などでも利用され、実践的なデータ活用の促進が図られる計画が進められています。
一般社団法人金融データ活用推進協会について
FDUAは、金融業界のデジタル化が進展する中で、業界の発展や個人のスキル向上を図るために設立されました。AIとデータの活用を推進することを目的とし、発足以来、さまざまな活動を行っています。どのようにして金融機関が持つデータを最大限に活用できるか、そしてそれに伴う成功事例を共有することで、業界全体の標準を確立していくことが求められています。