AI技術による生産性評価研究を松尾研究所とイトーキが開始

AIによる生産性の可視化へ向けた挑戦

研究の背景

近年、テクノロジーの進展に伴い、業務の自動化や効率化が求められる時代に突入しています。特に日本では、労働生産性の低下が深刻な問題となっており、対策が急務となっています。生産年齢人口の減少や多様な働き方が進む中で、何が生産性を高めるのかは各組織で異なるため、全体像を把握することは容易ではありません。

この状況に対し、『人を中心に据えたプロダクト開発と空間設計』を行う株式会社イトーキと、イノベーションを生み出すことを目指す株式会社松尾研究所が手を組みました。二者は共同で、AI技術を駆使した「オフィスにおけるマルチモーダルデータ活用による生産性評価研究」に取り組むことになったのです。

研究内容

本プロジェクトは主に二つの目的を持っています。一つは「生産性の定義と向上に寄与する行動・環境モデルの構築」であり、もう一つは「生産性の客観的な計測・検証手法の確立」です。これまでのデータ蓄積や主観的なパフォーマンスサーベイデータに加え、オンラインやウェアラブル技術によるライフログデータも活用し、多面的な分析を行います。

現在、松尾研究所ではすでに2回の実証実験を実施し、観察研究によりエリア間でのパフォーマンス差を確認しました。また、介入実験では特定のエリアでの作業プロセスを観察し、実際の結果に変化が生じることを分析しています。これにより、日常的なオフィス内での移動が生産性向上に寄与する可能性も示唆されています。

今後の展望

今後の展開として、まずは初期段階の仮説検証を行い、さらに大規模な外部実証実験に発展させる予定です。最終的には、センシングデバイスやWebアプリを通じて収集したデータを分析するプラットフォームを構築し、顧客に向けた評価分析サービスの提供を目指します。

松尾研究所の役割

松尾研究所は、東京大学と連携し、学術的な成果を社会に実装することを使命とする研究機関です。新たな技術開発や研究成果を通じて、日本の産業競争力を向上させるために活動しています。

この共同研究により、より効率的で生産的な働き方が実現することが期待されており、今後の進展に注目です。松尾研究所に対する問い合わせは、広報担当までご連絡ください。メールアドレス：[email protected]。