Raspberry Pi財団の新製品発表
2024年、Raspberry Pi財団が待望の新マイコン「RP2350」と、それを採用した開発ボード「Raspberry Pi® Pico 2」を発表しました。この新製品は、高性能とセキュアな設計を実現することを目指しており、IoTやデジタルメイキングの分野での利用が期待されています。
新マイコン「RP2350」の特長
「RP2350」は、Cortex-M向けのArm TrustZoneを中心に、さまざまなセキュリティ機能を備えています。具体的には、署名付きブート機能、8 KBのアンチヒューズOTPを使ったキーストレージ、SHA-256アクセラレーター、ハードウェアTRNG(真の乱数生成器)、さらには高速グリッチ検出機能が組み込まれています。このアーキテクチャは透明性が高く、開発者は自信を持ってこのチップを自らの製品設計に盛り込むことができます。
これまでのようにベンダー側が隠すことによってセキュリティを確保するスタイルとは一線を画し、制限なく利用できるドキュメントが提供されることで、マイコンの利用促進にも寄与することでしょう。
新開発ボード「Raspberry Pi® Pico 2」
「Raspberry Pi® Pico 2」は、性能が大きく向上しました。コアクロックは向上し、SRAMやオンボードフラッシュメモリはそれぞれ倍増。新たに強化されたArmコアと、オプションで利用できるRISC-Vコアを搭載しています。また、セキュリティ機能やインタフェースもアップグレードされており、プログラムの互換性を保ちながら、全体のパフォーマンスが向上しています。
「Raspberry Pi® Pico 2」は、時速150 MHzで動作するデュアルArm Cortex-M33またはデュアルRISC-V Hazard3プロセッサを搭載し、520 KBのオンチップSRAMと4 MBのオンボードQSPIフラッシュを備えています。また、様々なインターフェースも用意されており、デジタルエレクトロニクスに幅広く対応しています。
スイッチサイエンスの「Picossci 2」
さらに、株式会社スイッチサイエンスも「Picossci 2」を発表予定です。このシリーズは、ピッチ変換基板やConta™規格に基づくベースボードの開発を進めています。Conta™規格は、基板の外形や信号配列に一定の規約を設けて、互換性を確保するためのものです。これにより、ユーザーは自分のニーズに合ったハードウェアを選ぶことができます。
今後の展開
この新製品群は、メイカーからプロの開発者まで幅広く利用されることが期待されており、特にIoTやロボティクスのプログラミングの現場で活用されるでしょう。日本国内では、スイッチサイエンスが近く「Raspberry Pi® Pico 2」の販売を開始する予定で、注目を集めています。
さらに、詳細なドキュメントやトレーニングリソースも提供されるため、これからの技術者やメイカーにとって、非常に喜ばしいニュースとなるでしょう。Raspberry Pi財団は、常に新しい技術を探求し、人々にデジタルメイキングの力を提供することを目指しています。これからも目が離せない存在です。
まとめ
Raspberry Pi財団とスイッチサイエンスが展開する新しい製品は、セキュリティやパフォーマンスの向上により、多くのユーザーの期待に応えることでしょう。今後の展開にぜひ注目してみてください。