LINEAイノベーションが17.5億円を調達、核融合研究へ加速する新技術の展望

株式会社LINEAイノベーション（本社：東京都港区、代表取締役CEO：野尻悠太）は、先日シリーズAラウンドにて17.5億円の資金調達を完了したことを発表しました。この資金は、先進燃料核融合技術の研究開発および体制強化に充当されます。

資金調達の背景

LINEAイノベーションは「Future GenerationのためのFusion Energy」をミッションに掲げており、安全でシンプルな核融合炉の開発を目指しています。同社が特に注目しているのは中性子を出さない先進燃料核融合（p-11B核融合）による新しいエネルギーの形です。これにより、従来のD-T核融合が抱える問題点を回避し、持続可能なエネルギー供給を実現します。

先進燃料核融合のメカニズム

LINEAイノベーションが取り組む先進燃料核融合は、軽水素とホウ素11（p-11B）を燃料とし、FRC（Field-Reversed Configuration）という独自の手法で高密度プラズマを生成します。ここで生成されたプラズマは、ミラー磁場に捕捉された高エネルギーのイオンビームと反応し、発電する可能性を持つ反応を引き起こします。この技術が実用化されることで、エネルギーの生産方法に革命をもたらすでしょう。

具体的な研究開発の計画

今回の資金調達によって、LINEAイノベーションはさらなる研究開発の進展を図ります。具体的には、研究チームの強化、重要な要素技術の開発、そして反応実験装置を使用した実証実験の開始を予定しています。短期的には数年以内にp-11B核融合の反応を実証し、中期的には2030年代初頭までに発電実証を完了することを目指しています。

事業会社からの出資も

資金調達ラウンドには、建設業界のリーダーである株式会社大林組と、電機メーカーである三菱電機株式会社の二社が参加しました。大林組は、核融合炉の建設に必要な高度なエンジニアリング技術を提供し、三菱電機は同社との技術協力を通じて、より革新性のあるエネルギー管理方法を模索しています。

投資への期待と今後の展望

ANRI株式会社のジェネラル・パートナーである鮫島昌弘氏は、核融合の将来性を強く信じており、LINEAイノベーションのプロジェクトが日本の基幹産業になると述べています。代表取締役の野尻悠太氏は、この資金調達に感謝しつつ、従来のエネルギー問題や環境問題を同時に解決する技術の実装に邁進する意思を示しています。

会社概要

株式会社LINEAイノベーションは2023年に設立され、東京都港区六本木に本社を構えています。同社は、先進核融合技術を用いたFRCミラーハイブリッド炉の研究開発を行い、将来的には安全でクリーンなエネルギー供給を目指しています。

今後もLINEAイノベーションの動向から目が離せません。彼らが開発を進める核融合技術は、私たちの未来を大きく変える可能性を秘めているのです。