岡山大学が掲げる聞こえを支える新たな取り組み
2025年7月、国立大学法人岡山大学が岡山市とデマント・ジャパン株式会社との三者連携協定を締結しました。この協定は、加齢性難聴に対する理解促進および早期発見、早期対応の体制を構築することを目的としています。具体的には、地域全体で“聞こえ”を支える仕組みを整え、高齢者の生活の質(QOL)の向上を目指すものです。
聴覚検診と専門人材の育成
協定の一環として、聴覚検診車「Audika GO」が活用され、スクリーニングや難聴を疑われる方への受診勧奨が行われます。また、補聴器の装用を支援する専門人材の育成も重要な要素です。これにより、高齢者が安心して生活できる環境を整え、持続可能な地域社会を形成することが期待されています。
調印式と協力の意義
調印式には岡山大学の那須保友学長、岡山市の大森雅夫市長、デマント・ジャパンの齋藤徹社長が出席し、協定に署名が行われました。那須学長は「誰一人取り残さない社会を実現するために、岡山から新たな支援モデルを発信します」と心強い言葉を述べました。大森市長も市民の耳の健康を守るための取り組みを強調し、齋藤社長は聴覚ケアの推進を通じて連携の強化を語りました。
この協定は、国際的な意義も持っており、デンマーク王国の大使館からも代表が参加し、補聴支援の先進事例を紹介しました。このように、地域だけではなく、国際的な連携によって新たな支援体制が築かれることが期待されています。
聴覚支援センターの設立
岡山大学では、2023年度中に聴覚支援センターを設置し、医療、福祉、教育の分野を横断する継続的な支援体制を構築する方針です。自治体、大学、企業が協力して、全国的にも先進的なモデルを実現していくことを目指します。
地域と共に育む健康
加えて、岡山大学は文部科学省からの支援を受け、「人の健康」や「地域の健康」をテーマとした取り組みを進めています。これにより、岡山を起点にした健康に関する具体的な活動が地域で実現されることが期待されています。
実践する聴覚支援
公開された聴覚検診車「Audika GO」を使ったデモンストレーションや、の展示も行われ、参加者は聴覚支援の最新技術を体験。今後の地域の健康と福祉に向けた具体的な意見交換がなされました。これを受け、岡山大学は地域と国際社会を結ぶ共創モデルを育て、聞こえやすい社会の実現に向けた努力を続けていきます。岡山における聞こえ支援の革新に、期待が高まるばかりです。
この取り組みを通じて、岡山大学は持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けても確かな一歩を踏み出しています。地域社会と共に人々の健康を守ることが、未来へ続く道となるでしょう。