労働環境の質が企業の離職率に与える影響とは

最近、『ブラック企業』という言葉が広まり、劣悪な業務環境に対する関心が高まっています。企業における業務環境の問題と、そこで働く個人の負担についての調査結果が明らかになりました。この調査では、業務に伴う経費を自己負担する現状や、そのことが社員の離職率に与える影響について探っていきます。

自腹経費の現状

調査に参加した約1,000名のうち、59.7％が自腹で経費を支出した経験があると回答しました。特に目立つのは、携帯電話代が30.8％、接待費が30.7％、交通費が27.3％と続き、その負担を感じている人が多いことが分かります。年齢層別にみると、20代は72.2％の人が何らかの経費を自腹で支払っていることも浮き彫りになりました。これは若年層ほど経済的な負担を強いられている現象と言えます。

自腹経費への不満

さらに調査結果によれば、自腹経費に対する不満を感じている人は56.9％です。特に携帯電話代に関しては、80.8％の respondentsが自腹に対して抵抗感を示しています。経費を自腹で支払わなければならない状況は、社員のモチベーションに大きく影響を及ぼす要因となっているようです。

プライバシーと個人情報の利用

個人のプライバシーについても、仕事の関係で私用の連絡先を使わざるを得ない状況に対して不満を持つ人が58.6％に上ります。さらに、62.4％が自身の私用電話番号を取引先に知られることに抵抗を持っています。このことは、個人情報の取り扱いに関する意識が高まっていることを示しています。

“間接的パワハラ”の実態

これらの経費負担や個人情報の利用は多くの人が「間接的パワハラ」と捉えており、60.9％がそのように感じていると回答しました。このような“間接的パワハラ”は、業務に対するモチベーションの低下や転職を考える理由になるとの意見が多く、特に自腹経費に対して不満を持つ人の91.5％がモチベーションが低下すると回答しています。

さらに、88.6％がこのような状況が転職を考える一因になると答え、離職率にも影響を与えているという結果が出ています。実際に「間接的パワハラだと思う」という人の中で74.5％が離職率に影響を及ぼすと感じています。