損害保険業界改革に向けた金融審議会の重要な動き

概要

令和6年9月27日、金融審議会が損害保険業に関する制度等を見直すためのワーキンググループを初めて開催しました。この会合では、業界における保険金不正請求や保険料調整行為といった問題が取り上げられ、顧客本位の業務運営や市場の信頼性向上に向けた施策が議論されました。

金融庁の洲崎座長は、損害保険業界の最近の不祥事を指摘し、特に保険金不正請求や競争環境の健全性が損なわれていることを懸念しています。その上で、顧客本位の業務運営が確保されるよう、業界全体での取り組みが必要であると述べています。

この日の議事の中では、まず金融庁の事務局がワーキンググループ設置の背景や損害保険業界の現状について説明しました。その後、日本損害保険協会から業界の取り組みについて報告がありました。特に重要とされたのは、業務改善計画を通して保険会社の業務運営を見直し、再発防止に向けた施策の強化です。

日本損害保険協会は、顧客本位の業務運営を促進するために、業務品質評価やガイドライン策定に向けたプロジェクトを進めています。特に、代理店の業務品質向上のための評価制度や、コンプライアンス強化に向けた取り組みが強調されています。

政府の介入なしに業界が自律的に健全な競争環境を構築できるよう、必要な施策の検討が進められます。また、顧客の立場から見た公正な業務運営を保障するための法制度の見直しも進める必要があります。金融庁は、保険仲立人制度の見直しも含めて、今後の議論が進展することを期待しています。

本会合を通じて、損害保険業界の公正な運営と顧客本位の業務がどのように実現されるかが今後の課題であることが明らかになりました。これらの議論が進むことで、業界全体の信頼性向上につながることを期待したいところです。