再生プラスチック活用の新たな試み
株式会社三菱総合研究所(MRI)は、2023年から再生プラスチックに特化したマッチングアプリの本格的な実証事業を開始することを発表しました。この取り組みは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの一環として行われ、循環経済の促進を図るものです。
背景および目的
近年、気候変動や環境問題への対応が求められる中、プラスチック資源の循環利用が見直されています。しかし、日本国内の再生プラスチック市場はまだ発展途上であり、供給者と利用者の間で情報が共有されにくい状況が続いています。そこで、MRIは再生プラスチックの供給事業者と利用事業者の情報をスムーズに伝えるマッチングツールの開発に着手しました。
アプリの概要と過去の成果
最初の実証事業は2023年度に行われ、再生プラスチックの供給業者6社と利用事業者6社が参加しました。アプリを通じて、供給側が登録した再生プラスチックの情報に基づき、利用者は希望するプラスチックを検索することができます。このプラットフォーム内では、チャット機能を用いて事業者同士が直接コミュニケーションを取ることも可能です。
2023年度の実証では、参加した事業者の意見を集め、アプリの機能改善を行いました。その結果、マッチングが成立し、一部では取引に向けた初期面談も実施され、アプリの実用性が確認されました。
2024年度の取り組み
2024年度には、マッチングの精度向上とユーザビリティの向上を目的として、試験利用できる事業者をさらに募集します。実証期間は2024年9月から2025年3月までを予定しており、最長で2028年3月まで延長される可能性もあります。
募集の詳細情報
- - 対象者: 再生プラスチックの供給事業者、利用事業者
- - 実施事項:
-
供給者: アプリにプラスチックの情報を登録し、利用者からの問い合わせに応じる。
-
利用者: 希望条件をアプリに入力し、適切なプラスチックを検索。
参加のメリット
供給事業者にとっての利点
- - 自社製品のアピール: 再生プラスチックの使用を希望する事業者に対し、直接アピールするチャンスが得られます。
- - 情報明確化: 利用者が求めている情報や物性データが把握でき、効率的なアプローチが可能となります。
利用事業者のための利点
- - 条件に合ったプラスチック探し: 希望に近い再生プラスチックを易々と見つけることができます。
- - 供給の確保: より多くの事業者が需要が高まっている再生プラスチックを確保する手助けとなります。
参加方法と今後の展望
MRIでは、再生プラスチックのサプライチェーンに関わる企業や研究機関、政府機関と連携し、このマッチングアプリの開発を進めています。今後も持続可能なプラスチック社会の実現を目指し、環境価値を明確化し、プラスチック資源の循環利用を促進する仕組みを整えていく予定です。
お問い合わせ情報
試験利用に関する詳細なお問い合わせはメールにて受け付けています。参加企業は随時募集していますので、ぜひご連絡ください。
再生プラスチックの利用促進と循環経済の実現に向け、是非この機会をお見逃しなく!