農業とエネルギーの未来を拓くたまエンパワー生活クラブ前戸発電所が竣工

農業とエネルギーの未来を拓く新たな施設

2025年10月4日、神奈川県相模原市に新たに設立された「たまエンパワー生活クラブ前戸発電所」の竣工式が開催されました。この発電所は、農業、観光、教育の複合的な機能を持ち合わせた再生可能エネルギーを活用する新しい形態の営農型発電所です。この取り組みは、地域の参加と支援によって実現し、今後の持続可能な地域社会の構築に寄与することが期待されます。

竣工式には、生活協同組合連合会をはじめとする約100名の参加者が集まり、発電所の開設を祝いました。参加者はくす玉を開き、さがみこファームで栽培されたはちみつを試食したり、ソーラーシェアリングの見学を行ったりしました。

ソーラーシェアリングで持続可能な地域づくり

さがみこファームは、たまエンパワー株式会社と生活クラブ神奈川、東京、埼玉、千葉が共同出資した結果、再生可能エネルギーと農業を融合させたソーラーシェアリング発電所が建設されました。この取り組みは、地域における持続可能な農業の推進に向けた重要なステップです。

特に、生活クラブ神奈川の組合員による130万円を超えるカンパと、実施した2回のクラウドファンディングによる合計600万円の資金調達が功を奏し、この発電所の実現に繋がりました。この資金をもとに、ソーラーシェアリング農地にワイン用ブドウの植樹も行われました。

このように、農業とエネルギーが融合した「食とエネルギーのテーマパーク」としての設立を目指し、地域の活性化と持続可能な社会の実現を進めています。

地域社会との共生

山川勇一郎社長は、「この発電所は生活クラブの組合員の皆さんのものです。地域と共に歩み、発展していく場として利用されてほしい」と語りました。また、相模原市の本村賢太郎市長も、市内での脱炭素社会の実現に向けてこの発電所の重要性を強調しました。

杉本恵司さんは、過疎化が進む地域において、この発電所が新たな中心地となることへの期待を表明し、地域活性化への思いを強く持っています。生活クラブの篠崎理事長は、エネルギーと食の両立が地域コミュニティの力となることを信じています。

持続可能な未来へ向けた一歩

「たまエンパワー生活クラブ前戸発電所」は、今後も地域内外の人々を巻き込みながら発展を目指し、農業を通じた教育や観光の拠点としての役割も果たします。また、発電所で得られた電力は、生活クラブ神奈川の配送センターで利用され、地域社会へ還元されます。

この取り組みは、地域社会だけでなく、全国的にも持続可能な発展を推進するモデルケースとされることが期待され、今後の進展から目が離せません。