日本全国の交通機関や公共施設で使用される地図が、今まさに変革の時を迎えています。表示灯株式会社が九州大学と手を組み、すべての人にとって使いやすいユニバーサルデザインの公共案内地図を研究することが発表されました。これにより、視覚の違いや色覚特性に関わらず、誰もが直感的に理解できる地図の実現を目指します。
表示灯株式会社の本社は愛知県名古屋市にあり、長年にわたり公共地図にアクセシビリティを取り入れ、色覚バリアフリー地図を全国的に展開してきました。最近施行された改正障害者差別解消法により、アクセシビリティに対するニーズが高まっている中で、彼らはこの取り組みをさらに推進しようとしています。
今回の共同研究には、九州大学大学院の須長正治教授が関与し、色覚障害者と健常者の両方に配慮した地図デザインについて探求しています。研究のテーマは「公共地図の色覚障害者と健常者の両方に適したデザイン」とされ、視覚特性に基づいた実験を通じて、機能性と美しさを兼ね備えた地図表現の確立を目指しています。
なお、九州大学の院生である山﨑氏が発表した研究は、少数派色覚を持つデザイナーを助けるための知識や技術についての分析を行い、この分野において発表奨励賞を受賞しました。この研究は、デザイン業務の充実を図りつつ、新しい配色案の検討にも寄与しています。
具体的には、公共施設や文化施設、宿泊施設など、5つの主要な施設に対して色相型配色を採用し、色の理解を容易にすることを目指しています。さらに、各施設に対する色彩の選択方法や、視認性を高める工夫が盛り込まれています。これにより、周囲の情報を直感的に把握できるよう、地図デザインに革新をもたらすことが期待されています。
完成した地図は、全国の公共施設や観光案内所に展開され、その結果、より多くの人々が情報にアクセスできるようになるでしょう。このような取り組みが進むことで、公共空間における情報のアクセシビリティが飛躍的に向上し、誰もが平等にサービスを享受できる社会が実現されることを願っています。今後の展開に目が離せません。