糖尿病患者238名に聞く!食事管理が最も辛い実態
名古屋市名東区に位置するメディカルケア内科が行った調査結果が、糖尿病患者の実態を浮き彫りにしています。この調査では、238名の糖尿病患者に対して、治療に関するさまざまな悩みや症状をアンケート形式で収集しました。調査の主要な目的は、糖尿病における患者の生活と治療上の課題を明確にし、医療者と患者の間でのより良い情報共有と理解を促進することです。
調査概要
本調査は2024年4月14日から2025年6月24日までの期間に実施され、メディカルケア内科に通院する患者238名から有効な回答を得ています。糖尿病患者が治療を行う上で直面している症状や悩みについての具体的な結果が得られました。
食事管理の辛さ
調査において最も多くの患者(49.0%)が「食事管理」を最も困難だと感じていることがわかりました。糖尿病の治療における根本の部分である食事管理は、カロリー計算や糖質制限といった業務的な作業だけではなく、「食べる楽しみ」を制限されることによる精神的ストレスや、家族や友人との外食や会食時に感じる孤立感が影響している様子が伺えます。患者の意識の中に、食事に関わる「見えざる壁」が存在しているのです。
一方で、「定期的な運動」を課題と感じている患者も36.3%に上り、合計で85.3%もの患者が治療の根幹である生活習慣の改善に苦しんでいることが明らかになりました。仕事や家庭の事情から運動をする時間を確保できない、またはモチベーションを維持することが難しいといった実態が見受けられます。
糖尿病の症状
次に挙げられたのは、「頻尿・多尿」が21.2%、「食後の眠気」が18.0%、「疲労感」が17.6%と続き、これらの症状は患者の生活の質に直接影響を及ぼします。興味深いのは、18.8%の患者が「特に症状はない」と回答していることですが、これは過去の慢性的な症状に慣れてしまっている可能性も考えられ、注意が必要です。
自己管理に対する認識
自己管理に関する質問では、60%超が自己管理に肯定的な見解を持つ一方で、自信を持って「うまくいっている」と回答したのはわずか17.6%でした。多くの患者が「食事管理」や「運動」の難しさから、自分の管理が十分でないと感じている現実に直面していることが明らかになりました。
HbA1cの理解
特に注目すべきは、HbA1cに関する調査結果です。54%の患者がその意義を「理解している」と回答する一方で、46%は「なんとなく理解している」か「理解していない」とし、多くの患者がこれ重要な指標に対する理解が不足していることが示されました。結果として、患者は目標数値の把握には成功しているものの、その意味には乏しく、数字に対する理解のギャップが大きな課題として浮かび上がりました。
まとめ
本調査を通じて、糖尿病患者が日々の治療において「食事管理」や「運動」が最も困難であると感じていることが明らかになりました。また、症状の中で生活の質に大きく影響を与える問題が多く見られました。 HbA1cに関する理解度においても、高い数字の認識の裏に知識のギャップが存在することが確認されました。
今後は、患者と医療者の間で、目標数値だけではなく、その意味をしっかりと共有するための取り組みが求められます。これによって、より効果的な治療と健康管理が実現されることが期待されるでしょう。