三機工業が開発した新世代計測ロボットとは
建設現場の効率化が今、急務となっています。その中で、三機工業株式会社(社長:石田 博一)は、革新的な複合機能計測ロボットを開発しました。このロボットは、空調用吹出口と吸込口が一体化した制気口の風量を測定し、さらに室内環境を総合的に計測する機能を備えています。
開発の背景
2019年に登場した風量計測ロボットの運用実績を基にして開発されたこのロボットは、特に多くのオフィスビルで採用される給排一体型制気口での風量計測ニーズに応える形で誕生しました。最近では、室内照度や他の環境要因を測定するニーズも高まっており、その要求に応えるために新たに複合機能を持つロボットが必要とされていました。
主な特徴
このロボットの特筆すべき特徴は以下の通りです。
1. 高精度な風量計測機能
ロボットは、カメラによる画像認識機能と移動テーブルを組み合わせることで、計測位置を自動的に補正し、高精度の風量計測を実現しています。これにより、吹出しおよび吸込みが一体となった制気口からでも、正確なデータが取れるようになっています。特許出願中のこの技術は、計測の精度を飛躍的に向上させています。
2. 室内環境総合計測機能
従来の風量計測に加え、風速、温度、湿度、照度を一台で計測できる機能を搭載しています。この機能によって、建築設備の試運転調整業務が大幅にサポートされます。施工図面からは自動で計測ポイントの情報を設定し、自動走行しながらのデータ取得、さらにはクラウドへのリアルタイムデータ転送も可能です。また、帳票作成も自動処理されるため、設計者や現場管理者が同時に進捗を把握できるように設計されています。
今後の展開
三機工業は、2025年度内に試験運用を開始し、この新たなロボット技術を用いて建築設備工事における自動化・高精度化を推進する計画です。今後、建設業務のさらなる効率化が期待される中、三機工業の複合機能計測ロボットは、その中心的な役割を果たしていくことでしょう。建設業界に革命をもたらすこの技術に、大いに注目が集まっています。