現代における母の日参りの意識と実態
株式会社日本香堂によると、近年の家族形態や生活様式の変化に伴い、母の日における行動にも変化が見られるとのことです。特に、亡くなった母親に対するお墓参りなどの行為を、「母の日参り」として位置づけ推進しています。これは、ゴールデンウィークから母の日にかけて、亡くなった母親の墓前や仏壇にお花やお線香をお供えする行為を指します。
調査の背景と目的
最近、日本社会においては伝統的な習慣が変化している中で、母の日に亡き母を想うことの重要性を浮き彫りにするために、「母の日参り」に関する意識調査が実施されました。対象者は全国の20代から60代までの827人で、特に母の日にどのように過ごすかを調べました。この調査には、現代の追悼文化を理解するための目的が含まれており、結果は興味深いものでした。
主な調査結果
1.
「何もしない」が最多
調査結果によると、母親が生存している層においては、母の日に「何もしていない」(33.1%)という回答が最多を占めました。さらに、母親と死別している層でも「何もしていない」という回答が48.4%に達し、実際には何かを行動に移した人は少ないことがわかりました。
特に20代の回答者の中では、「何もできなかった場合」の罪悪感が強く、母の日が「感謝を示す特別な日」として意識されていることが明らかになりました。
2.
母の日参りに対する関心
「母の日参り」に興味を持つ若者の割合は非常に高く、全体の33.1%が興味を示しました。特に20代はその傾向が強く、母親への感謝の表現や心の癒しとしての機会として重要視されています。
3.
お墓参りの現状と世代差
調査では、ここ10年間で定期的にお墓参りをしている人は少なく、「全くしない」という回答が28.1%を占めました。しかし、20代の中には「年に2回程度」お墓参りを行う人もおり、それぞれの世代でお墓参りの意義や関心が異なることが浮き彫りになりました。
4.
お線香の香りの価値
お線香の香りに関しては主に「懐かしさ」や「安らぎ」といったポジティブな感情が浮かび上がりました。世代間に共通しており、現代社会のストレスからの解放を求める姿が見られます。
まとめ
この調査結果は、現代社会における追悼文化の実態を垣間見るものです。依然として母の日は感謝を示す特別な日ではあるものの、多くの人が行動に移せていない現状が明らかになりました。お線香や「母の日参り」といった新しい形で、故人とのつながりを感じることができる可能性をも示唆しています。今後、日本香堂は新たな挑戦として、こうした変化に対応した提案を続けていくことを宣言しています。