スズキとAIスタートアップOlloの進化
スズキ株式会社が、作業分析AIソフトウェア『Ollo Factory』を正式に導入しました。これは、AIスタートアップの株式会社Olloが開発したものであり、スズキはこのAIを用いて生産性を高め、不良品の流出を防止することを目指しています。
『Ollo Factory』導入の主なポイント
1. AIの業務活用とマザー生産拠点の進化
『Ollo Factory』は、スマートフォンやタブレットを利用して簡単に操作できる動画解析AIです。この技術は、社内で広く活用されているChatGPT汎用ツールと同様に、現場での生産活動に直接寄与することを目指しています。加えて、スズキは国内工場を地域の“マザー生産拠点”として位置づけ、技術とノウハウの共有が重要であり、『Ollo Factory』は人や技術のバラつきをAIで可視化し、生産技術の継承と精度向上を手助けします。
2. ウェアラブルカメラ利用による高精度な作業分析
『Ollo Factory』はウェアラブルカメラによる映像解析が可能です。この技術により、固定カメラでは捉えにくい自動車組立工程の詳細な分析が行えます。新人と熟練者の動作の違いや作業中のつまずきを明確にすることで、効果的な教育やプロセスの改善が実現します。
3. リアルタイムの異常検知
スズキでは、作業分析に加え、リアルタイムで異常を検知できる『Ollo Factory』の機能も取り入れます。作業中のミスや抜け落ちをAIが瞬時に検出し、品質の統一化や不良品の自動検知を促進します。
今後の展望
Olloは、製造業向けの動画解析AIとして、スズキの生産性と品質の向上を支援し、日本全体の製造業の競争力を強化することを目指しています。スズキ株式会社の専務役員、市野一夫様は、この技術の導入により、生産現場の効率化と品質の安定化に期待を寄せています。
株式会社Olloの代表からのメッセージ
Olloの川合健斗CEOは、スズキとの協業に大きな誇りを抱いており、このたびの『Ollo Factory』導入によって、製造現場のDXを更に推進し、スズキの競争力を高める一助になれることを嬉しく思っています。
『Ollo Factory』の特徴
『Ollo Factory』は、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップで、製造業に特化した作業分析AIです。ウェアラブルカメラやスマートフォンで撮影した作業動画を解析し、熟練者と新人の動作比較や作業のばらつき分析を通じて生産性向上を支援します。具体的には、手順書作成の自動化、ムダの特定、リアルタイムの作業異常検知などの機能を提供しています。
会社概要
株式会社Olloは、2019年に設立され、東京都文京区に本社を置くAIスタートアップです。工場での作業を高度に解析し、製造業の生産性と品質向上に寄与しています。今後も、スズキとの連携を通じてさらなる技術革新を目指していきます。