ソニーと放課後NPOが成果を上げた「感動体験プログラム」
2023年度、ソニーグループ株式会社と特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクールが共同で推進する「感動体験プログラム」の社会的インパクト評価結果が公開されました。このプログラムは、国内の教育格差を縮小することを目指しており、小学生を対象にした体験活動を提供しています。特に、STEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics)分野に特化したワークショップを通じて、子どもたちの創造性や好奇心を引き出すことに注力しています。
プログラムの概要
「感動体験プログラム」は、全国30の団体で展開されるもので、放課後NPOアフタースクールが持つ専門的なノウハウを活かし、ソニーの技術や資源を利用した各種ワークショップを行っています。2021年度以降、第三者機関による評価が行われ、プログラム実施の効果を科学的に検証しています。
2023年度には、短期間の「単発プログラム」と、約半年間の「長期プログラム」を実施し、参加した子どもたちの非認知能力の向上が確認されました。
プログラムの成果
単発プログラム
2023年度に実施された「単発プログラム」は、全8種類のプログラムが展開されました。評価指標は、事前の平均値3.15から事後の平均値3.31に達し、4.9%の伸び率を記録しました。特に、プログラミングブロックやVR体験が高い効果を見せ、模倣力ややり抜く力といったコンピテンシー指標が顕著に向上しました。
長期プログラム
「長期プログラム」では、実施した2つの拠点とも、複数回のワークショップを経て子どもたちのコンピテンシーが向上。自走プログラムの導入により、各拠点のニーズに合わせたプログラムが成功を収めました。また、大人向けの「大人対話会」も行い、組織の基盤を整えることがプログラム提供の満足度に寄与したことが明らかになっています。
環境要因の影響
プログラムの効果については、運営団体の組織体制が子どもたちへの影響は受けにくい一方で、スタッフへの影響は強く受けることが示されました。つまり、リーダーシップや組織ビジョンがスタッフのプログラム効果に大きく関与していることが確認されたのです。今後は、これらの要因を踏まえてプログラムをさらに発展させていく方針です。
まとめ
このように、「感動体験プログラム」は、子どもたちに非認知能力を高める多彩な体験機会を提供することで、教育格差の解消に寄与しています。ソニーと放課後NPOアフタースクールは、今後も全国での取り組みを継続し、さらなる効果の検証と実施を行うことを目指しています。社会における教育の重要性がますます高まる中、このプログラムは未来の世代に向けた重要なイニシアティブと言えるでしょう。