STマイクロエレクトロニクスの新製品「TSC1801」
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)は、新たに「TSC1801」と呼ばれる高集積型ローサイド電流センス・アンプを発表しました。この製品は、特に高精度の電流センシングを求める様々なアプリケーションに適しており、回路設計のシンプル化とコスト削減を同時に実現します。
製品の特徴
TSC1801は、ゲイン設定用の抵抗が内部に集積されているため、外部でのトリミングが不要です。これにより、製造や設計上の手間を大幅に軽減します。全温度範囲においてゲイン誤差は0.15%以内と高精度で保たれており、安全性を求めるアプリケーションに最適です。固定ゲインのサポートは、産業用や自動車用の電流検出に特に重要です。
おもな用途
このアンプは、モータ制御、太陽光発電装置や自動車の電流検出回路に適応しており、その双方向の電流センシング機能により精度の高いデータ取得が可能です。特に、低コモン・モード電圧での使用を最適化しているため、高精度シャント抵抗を用いた電流測定に最適です。具体的には、±200μVの最大オフセット電圧と0.5%未満の全出力誤差を実現しています。
高い帯域幅
TSC1801の特徴的な帯域幅は2.1MHzであり、これによって非常に高い周波数の電力管理システムでのパルスごとの電流制御が可能になります。この高速応答は、モータドライブにおけるトルク調整や振動低減に寄与し、実際の運用において特に有用です。また、障害が発生した際には迅速な過電流検出が可能となり、出力段の繊細な電子部品を守るという大きな利点も持っています。
幅広い対応
TSC1801は、電源電圧範囲が2.0Vから5.5V、動作温度範囲は-40℃から+125℃まで対応しており、車載グレードの製品も用意されており、AEC-Q100 / Q003等の仕様に準拠しています。さらに、より厳しい条件下での使用が求められる場合には、AEC-Q001 / Q002に準拠した製品も提供されます。
生産と販売
現在、産業グレードの「TSC1801BILT」は量産中で、6ピンのSOT23パッケージで提供されています。1000個以上の購入で、単価は約0.54ドルです。また、車載グレード対応品は2025年の第2四半期に登場する予定です。
要するに、STマイクロエレクトロニクスの新しい電流センス・アンプ「TSC1801」は、高精度かつ幅広い用途に対応した非常に優れた製品です。より詳しい情報は、STの公式ウェブサイトを訪れるか、お問い合わせ先にご連絡ください。
お問い合わせ先
STマイクロエレクトロニクス(株)アナログ・MEMS・センサ製品グループ 〒108-6017 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟 TEL : 03-5783-8250