AI-CAEソフト「RICOS Lightning」が資金調達、効率的な製品設計を実現へ

株式会社RICOS、約6億円の資金調達を実施



AI-CAEソフトウェア「RICOS Lightning」を提供する株式会社RICOS(東京都千代田区、代表取締役:井原遊)は、昨年XTech Ventures株式会社、mint、DRONE FUND株式会社などから約6億円の資金調達を完了したことを発表しました。この資金は、AIを駆使したシミュレーション技術を用いて、製品設計の効率性を高めることを目的に活用されます。

RICOSのビジョンと技術的革新



RICOSはCAE(Computer Aided Engineering)技術にAIを融合させ、製品設計のプロセスを最適化しています。一般にCAEは、流体や熱の挙動をシミュレートするために膨大な計算時間を要するため、エンジニアにとっての大きな課題でした。そこでRICOSは2020年に画期的な「IsoGCN」アルゴリズムを開発し、このアルゴリズムを応用した「RICOS Lightning」で高速かつ高精度のシミュレーションを実現しています。現時点で複数の自動車メーカーや機械メーカーと協力し、製品の品質を向上させています。

新たに開発した「RICOS Generative CAE」は、製品形状を自動で最適化するソフトウェアであり、既に建築資材や自動車部品の製造企業と協業を開始しています。このシステムは、効率的な形状設計を支援し、コスト削減や性能向上にも寄与しています。

資金調達の具体的な支出計画



今回調達した資金は、「RICOS Lightning」と「RICOS Generative CAE」のさらなる開発に充てられる他、AIアルゴリズムの精度向上を目指した研究開発にも使われます。また、BizDev人材の採用強化にも活用され、海外市場への展開を視野に入れた取り組みが進化するでしょう。

IsoGCNアルゴリズムとは何か



RIOSが自社開発したIsoGCNアルゴリズムは、CAEシミュレーションに特化した技術で、その特長は以下の4つです:

1. 高速化:計算量を大幅に削減し、従来では数日かかっていたシミュレーションを数分で完了できます。
2. 3Dデータの解釈:複雑な3D形状の理解が深まり、高度な設計においても適用可能です。
3. 外挿の能力:流体解析、熱解析、構造解析を組み合わせることで、全く新しい形状に対しても信頼性の高い結果を出すことができます。
4. 操作が容易:厳密なメッシング作業が不要となり、専門家以外のユーザーでも簡単に扱えます。

このように、IsoGCNは多様な業界での応用が期待されており、特に自動車や電子機器の開発においてその効果が証明されています。

出資企業の声



出資を受けた企業からは多くの期待が寄せられています。XTech Venturesの荻野公平氏は、「RICOSはグローバルな視点で見ても突出した技術を持っている」とし、さらなる躍進を期待しています。また、DRONE FUNDの大前創希氏は「RICOSの技術はドローン分野でも不可欠」としてその成長を支援する意向を示しました。

まとめ



RICOSの革新的なアプローチは、製造現場におけるシミュレーションを根本的に変える可能性を秘めています。AIを活用した最先端の技術で、世界中のものづくりに新たな価値を提供し続けることが期待されています。この資金調達を通じて、RICOSが成し遂げる未来に注目です。

会社情報

会社名
株式会社RICOS
住所
東京都千代田区丸の内二丁目3番2号
電話番号
03-5615-9777

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