月刊『先端教育』2025年7月号の特集解説
2025年5月30日、学校法人先端教育機構が発行する『月刊先端教育』の最新号が登場しました。今回の特集は、変化の激しいVUCA時代におけるマネージャーの育成に焦点を当てています。急速な事業環境の変化と人材の流動化が進む中で、求められるスキルや能力が高度化する中、どのようにして組織に成長をもたらす管理職を育成するかという問いに対する答えを探り、各界の専門家の意見を交えて考察しています。
VUCA時代のリーダーシップの新たなアプローチ
本特集では、まず「グロースマネジャー」という新たなマネジャー像に注目しています。ソフトバンクの岩月優氏によると、新たな働き方においては、マネジャー自身が継続的に学び続け、部下の成長をともに促す姿勢が求められています。このようなマネジャーは、単なる管理者ではなく、チームの成長に寄与するパートナーとしての役割を果たさなければなりません。
管理職に求められるコミュニケーション力
次に、産業能率大学の米井隆氏が指摘するように、マネジャー育成のカギは「人間関係の構築力」にあるとされています。部下との1対1のミーティングでは、「何を話すか」ではなく、「この人と話したい」と思わせる関係構築が肝要です。マネジャーは、信頼関係を築き、部下が安心して意見を交わせる環境を創出する必要があります。
経営学の技法と感謝の活用
また、東京大学の舟津昌平氏が提唱する「三つの思考」により、管理職には経営学の技法が欠かせないことが明らかにされています。この知識を生かすことで、より戦略的な判断を下し、チームを効果的に導くことが期待されています。そして、東京女子大学の正木郁太郎氏によると、マネジメントに「感謝」を取り入れることは、従業員のモチベーションを高める上で非常に重要です。感謝の気持ちが職場文化として根付くことで、チーム全体の雰囲気が向上します。
女性リーダー育成の重要性
また、本特集では女性リーダーを育成するための環境の整備も重要なテーマとして取り上げられています。株式会社Mentor Forの宮本桃子氏は、経営層や管理職が果たすべき役割について語り、女性が活躍できる場を作るための具体的なアプローチが必要であることを強調しています。
グローバル社会を生き抜く学び
特集のさらに別の側面として、グローバル社会で求められる学びについても触れられています。政府が726億円を投じて「グローバル人材育成の推進」に取り組む中、国際交流や英語力の重要性が増しています。自ら能動的に学ぶ力や、世界標準の英語力を身につけるための教育プロジェクトが多く取り上げられ、将来を担う子どもたちに必要なスキルが明示されています。
福井県の教育イノベーション
最後に、福井県の特集記事も必見です。同県は幸福度ランキングで常に上位に位置し、学力・体力調査でも素晴らしい成績を収めています。福井県教育委員会や福井大学は「子どもが主役」の教育を推進しており、地域のウェルビーイングに貢献するための多様な教育研究が行われています。自己肯定感を高めるプロジェクトや、オンライン探究学習プログラムなど、地域の実情に即した人材育成が進行中です。
まとめ
『月刊先端教育』2025年7月号は、急速に変化する時代において組織が求めるマネージャー像やその育成方法、さらにグローバルな視点での国際教育まで幅広く取り上げています。これからのマネジメントやリーダーシップを考える上で、是非手に取りたい一冊です。