スーパーデリバリーが発表した2025年仕入れ価格動向
株式会社ラクーンコマースが運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、2025年7月~10月の仕入れ価格動向を示すレポートを発表しました。このレポートは、国内メーカーと小売店、サービス業者が取引を行う卸市場の状況について、詳細な分析を提供しています。
1. 背景と目的
スーパーデリバリーは日本国内にとどまらず、134ヶ国にわたる越境販売を行っており、その商品数は約199万点にのぼります。アパレルや雑貨を中心に食品や生活家電、家具なども取り扱っています。この広範な取引の中で、特に注目されるのが仕入れ価格の動向です。今年の夏は原材料価格の高止まりや為替の変動、季節的な需要変動といった要素が影響し、商品を仕入れて販売する事業者にとっては、正確な情報を把握して戦略的な計画を立てる重要性が増しています。
本レポートでは、2019年を基準とし、2025年の7月~9月の仕入れ単価(1個あたり)の価格指数を分析しました。これにより主要なジャンルごとの動向を前期と比較しつつ、業界の変化を浮き彫りにしています。
2. 仕入れ価格指数の動向
レポートから明らかになった2025年7月~9月期の価格動向は、前期の極端な価格変動からの「揺り戻し」や「需要回復への期待感」が見られました。特に注目すべきは、前期に高騰した「米」が大幅に下落し価格が安定したことです。この一方で、巣ごもり需要の反動により「ホビー」や「文具・事務用品」、「DIY用品」といったカテゴリが急上昇しました。さらに、防災の日に向けて「防災用品」の需要が高まる傾向も見受けられます。
前期比で上昇が目立ったカテゴリ
夏休みや年末商戦を見越した早期の仕入れが活発化し、全カテゴリ中で最大の伸びを記録しました。この需要拡大は底堅さを示しています。
- - 文具・事務用品 (+33.7%)、DIY用品 (+25.0%)
新学期や秋のDIY関連需要が回復し、両カテゴリで強い反発を見せました。特にDIYは秋の気候に伴い活発になります。
災害対策が重要視される中、備蓄や防災グッズの整備が進み、この分野の需要が維持されています。
前期比で低下が目立ったカテゴリ
前期の高騰から大きく安定したものの、過去と比べると未だ高い水準です。
夏季の需要減少が要因で価格が落ちましたが、秋冬に向けて需要が回復する見込みです。
- - オーラルケア (-8.7%)、スマホケース (-8.9%)
市場の成熟や新製品発売前の静観などが影響しています。
3. まとめ
2025年の価格動向は、需給の変化や季節イベントに沿った回復が見られました。ホビーや文具、防災関連のカテゴリでは安定した供給と販売戦略が求められる一方で、米やチョコレート等の価格安定時にはキャンペーンを実施するチャンスと考えられます。特に季節性の高い商品の場合、需要回復を見越した戦略が重要です。
ラクーンコマースは今後も定期的にこの指標を観測し、データに基づく経営判断をサポートする情報を提供していく方針です。
4. 調査概要
- - 分析対象データ: スーパーデリバリーの商品取引データ
- - 指標: ジャンル別仕入れ価格指数(2019年の平均価格を基準に100)
- - 分析対象期間: 2025年7月1日~9月30日
5. 参考サイト