JR東日本が開発した溶接不要の新工法でプラットホーム耐震補強を加速

JR東日本の新たな挑戦: プラットホーム耐震補強工事

JR東日本は、東日本大震災からの教訓を踏まえ、首都直下地震に備えた耐震対策として、2017年度より220箇所以上のプラットホーム上家の耐震補強を行っています。この取り組みの中で、新たに導入されたのが「スマートウィクシス工法」と「スマートボクシス工法」という2つの新工法です。これらの工法は、従来の溶接工事に代わるもので、工期の大幅な短縮と作業の効率化をもたらします。

1. 残された課題

既存の耐震補強技術では、溶接が必須であり、限られた時間内での施工が求められる鉄道現場においては、準備段階や火災対策、環境要因など多くの課題が存在しました。これにより、作業の効率が悪化し、費用もかさみがちでした。
そのため、JR東日本は施工性や生産性の向上、品質管理の容易さを追求し、溶接不要の新工法を開発しました。

2. 新工法の概要

スマートウィクシス工法（SW工法）

この工法では、H形鋼柱の変形しやすい方向に斜めの補強部材をボルトで接合します。特筆すべきは、既存の塗装を除去する必要がないため、作業工程がシンプルになります。

スマートボクシス工法（SB工法）

こちらの工法では、変形しやすい方向としにくい方向の両方に補強部材を取り付け、同じ高さでボルト接合します。この工法も、既存塗装の除去が不要です。

これらの新工法の導入により、街の安全性は格段に向上します。たとえば、上越新幹線高崎駅では、従来の工法と比較して、工期を約80%短縮し、工事費を約30%も削減することに成功しました。