環境省のナッジ実証を横断的に総括したEYストラテジーの新アプローチ
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 (以下、EYSC) は最近、環境省による「ナッジ実証事業取りまとめ」の作成を支援しました。この取りまとめは、環境省が過去9年間に実施したナッジの実証を初めて体系的に振り返るものです。実施された135件の事例を基に、ナッジの効果が発揮される条件や逆に効果が薄かった条件を整理しました。その結果、9年間のデータをもとに、実施者が使いやすいステップに落とし込むことに成功しました。
ナッジとは何か?
ナッジとは、別名「行動誘導手法」とも言われ、行動科学の知見を活かして人々が自発的により良い選択をしやすくする手法です。例えば、人々が脱炭素に貢献するための行動変更に対して、情報提供だけでは思うように行動は促せません。ナッジは、消費者の心の動きや行動の背後にあるさまざまな要因に働きかけることで、真の行動変容を促します。
EYSCは、ナッジの施策を実施するにあたり、EY独自の行動変容モデル「ARMSモデル」と呼ばれる手法を用いました。このモデルは、行動科学の理論を基にしており、行動を妨げる要因を4つの領域から分析します:自動応答性、実現意思、動機、自己効力感。この解析により、今までとは異なる新しい視点での活動変容が模索されます。
3つのプロセス:実務ガイドの構築
過去の実施事例を元にEYSCは、ナッジを取り入れるための実務ガイドを「ボトルネック特定」「ナッジの選定」「ナッジの仕上げ」という3つのプロセスに分けました。第一に、行動を妨げている要因を明確化します。次に、そのボトルネックと対象行動に応じたナッジ手法を選定し、最後に具体的な施策へと実装します。
このガイドは、過去の成功事例をそのまま模倣するのではなく、特性や消費者のボトルネックを考慮した上で仮説を立てることが重要です。
新たな政策アプローチ「本音の正当化」
さらにEYSCは、これまでの知見を基に新しいアプローチ「本音の正当化」を提案しました。従来の政策は、行動変容を促す際に「やりたくなる理由」を重視しましたが、「本音の正当化」は、社会規範を見直す視点を持ちます。たとえば、環境への配慮からネクタイを外すことを省エネルギーにつなげる取り組みが挙げられます。人々が本来したい行動をしやすくする新しい価値観を提供します。
EYの役割と展望
EYは、科学的知見と現場の経験をつなぐことで、持続可能な社会の構築に貢献しています。今後も、ナッジを活用した行動変容政策の実施を通じて、より多くの人が「選んでよい理由」を得る社会の実現を目指します。今回の取りまとめは、脱炭素社会に向けた新たなガイドラインを築く第一歩ともいえるもので、EYの取り組みは、ますます広がりを見せることでしょう。
公式資料に関しては、環境省のウェブサイトをご確認ください。
環境省