新たなトレンド、コンパクトマンションの価格上昇
近年の不動産市場は、特に首都圏において、新築マンションの平均価格が1億円を超えるなど、驚異的な高騰が続いています。このような状況で注目を集めているのが、平均面積50㎡未満の『コンパクトマンション』です。株式会社マーキュリーが発表したデータによると、2024年に流通した中古マンションの中で、コンパクトマンションの価格値上がり率が非常に高いことが明らかになりました。
コンパクトマンションに注目が集まる理由
コンパクトマンションは、都市部で特に人気があり、価格の上昇による小さな居住面積の狭小化が進む中で、選択肢として残されています。今回のランキングでは、値上がり率が最も高かったのは『プラティーク日本橋』で、何と176.7%(約2.76倍)という結果が出ています。これまでの傾向を見ても、上位35物件は全て価格が新築時の2倍を超えるという高値を記録していました。
東京の中央区、特に『銀座』や『日本橋』には多くのコンパクトマンションがランクインしており、首都圏の不動産市場の特異性を映し出しています。次いで、渋谷区や港区、新宿区といった都心部でも多くの物件が注目されています。関西や東海エリアでも物件は見られましたが、京都府や大阪府からもランクインしたのはそれぞれ1物件のみと、東京圏の強さが浮き彫りとなりました。
20年前後の物件が人気
特に注目すべきは、築年数が20年前後の物件です。ランキングによると、2004年に竣工した物件が15件と最多で、多くは大手デベロッパーによって分譲されたもので、当時の価格が手頃だったため価値が維持されています。都市型コンパクトマンションの供給が活発化した2003年頃から、特に単身女性をターゲットにした物件が多く登場し、その後、そのような物件に人気が集中した結果だと言えます。
10年以内の物件も注目
築10年以内の物件に絞ったランキングでも興味深い結果が出ています。最も値上がり率が高かったのは『パークリュクス虎ノ門』で、103.8%(約2.04倍)という数値でした。これは、震災後やアベノミクスの影響で新築マンション価格が上昇していた時期に分譲された物件が多いためであり、築年数が中古市場に与える影響が軽減されていることを示しています。
エリア別では、東京都港区が最多で9物件がランクインし、高騰する価格が注目されている地域が多く見られました。特に麻布・青山・赤坂といった3A地区や再開発が進んでいる『虎ノ門』や『白金高輪』では、今後の市場の動向も期待されます。
コンパクトマンションが抱える課題
調査の中で浮き彫りになったのは、コンパクトマンションがファミリータイプの物件に比べて価格上昇が緩やかという点です。築年数が古い安価な物件ほど値上がり率が高い傾向がありますが、コンパクトマンションは賃貸需要が高く流動性が良いため、資産の維持には有利です。ただし、狭小な土地に建てられることが多く、スケールメリットが享受しにくく、居住スタイルや投資需要に影響を受けやすいといった特徴も持っています。
ますます注目を集めるコンパクトマンションの価格動向。マーキュリーのデータを参照しつつ、不動産市場の新しい波を追いかけていく必要があります。
【マーキュリーについて】
株式会社マーキュリーは、1991年の設立以来、『不動産ビッグデータ』を基に様々な事業を展開してきました。近年では、AIを活用した不動産マーケティングプラットフォームの提供にも注力しており、真に価値のある情報提供を目指しています。
【会社概要】
- - 会社名: 株式会社マーキュリー
- - 所在地: 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル42階
- - 代表取締役: 陣 隆浩
- - 設立年月: 1991年5月
- - URL: https://mcury.jp/